非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

自社株買い

今朝のモーサテを見ていたら自社株買いが話題に出ていました。

自社株買いが発表されると株価が上がるというイメージがありますが、何故なのか調べてみました。

自社株買いとは

企業が自社の発行済み株式を市場から買い戻すこと、これが自社株買いです。

自社株を買い戻したあと、その株を消却する場合と、しない場合があります。

例えば10,000株発行している会社で1,000株を買い戻し消却すると発行済み株式は9,000株になります。

一方、消却しない場合は10,000株のままです。

ちなみに消却しない場合、買い戻して保有している株を金庫株というそうです。

消却した場合

買い戻した自社株を消却した場合、次のような効果を期待できます。

  • PERの低下
  • ROEの上昇
PERの低下

PERというのは株価が割安であるかどうかを判断する指標で、値が低いほど割安であると見ます。

PER=株価÷1株あたり純利益

という計算で求めます。

1株あたり純利益は、純利益を発行済み株式数で割った値です。

買い戻した株を消却した結果、発行済み株式数は減るので、1株あたり純利益は上昇します。

PERの分母にあたる値が上昇するので、結果PERは低下し、割安になったと評価されるわけです。

ROEの上昇

ROEとは、いかに効率よく稼いでいるかを判断する指標です。

ROE=1株あたり純利益÷1株あたり株主資本

ROEは値が大きいほど効率よく稼いでいるということになり高く評価されます。

自社株を購入する際に使ったお金が無くなりますので、分母の株主資本が減少します。

その結果ROEは上昇するというわけです。

低いほど評価されるPERと高いほど評価されるROE、どちらの指標も良くなるために株が買われる→株価が上昇する、となるわけです。

消却しない場合

買い戻した自社株を金庫株として保有する場合、発行済み株式数は変わりませんので、上記のような指標の変化はあまり期待できません。

その代わりに、次のようなことが考えられます。

ストックオプション

保有する自社株を、自社の役員や従業員に購入させるために使うことがあります。

自社の業績が上がると保有する自社株も上がるのでモチベーションにつながるというのは、よくある話です。

M&A対策

以前にハゲタカファンドだとかいうので話題になりました、敵対的買収なんていうのがあります。

これを避けるために市場に出回っている自社株を手元に集めておくということのようです。


いずれにしても、自社株買いのニュースがあった場合、その裏にどういう意図があるのか調べると面白そうですね。