非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

短時間勤務者の給与に問題はないのか?

給与で払われる時間外手当って、どういう計算になっているのでしょう?

実は多くの人は知らないだけで、担当の方はまあまあ苦労しているのです。

月給を時給に換算する

時間外手当の計算は以下の通りです。

時間外労働時間×時給×1.25

あれ?私、月給制なんだけど、時給っていくらなんだろう?

時間外手当を計算するには、まず時給を求める必要があります。

月給で契約している人は、時給を次のように計算します。

基礎賃金÷(所定労働日数÷12)÷所定労働時間

ここでいう基礎賃金とは、時間外手当などは含まれません。基本給と言われるもので、厳密ではない言い方をすると、月々で変動のない手当と思うと、わかりやすいです。

ただし、家族手当や住宅手当など、労働基準法で除外してもいいとされる手当があります。

つまり基礎賃金=基本給というわけではないです。

所定労働日数とは実際に勤務するべき日数です。土曜日、日曜日などの休日、祭日、また会社で決まっている休みなどを1年(365日)から差し引いた日数です。

12で割るのは、月間の所定労働日数を平等にするためです。月により勤務日数は異なりますから、その都度、時給が変わらないようにするものです。

基礎賃金を月間の所定労働日数で割ることで日給が求まります。これを所定労働時間で割ることで、時給を求めることが出来るというわけです。

2019年の10連休

今年は改元のためゴールデンウィークが10連休であったところも多かったと思います。

このため、年間所定労働日数が例年より減ったため、時間外手当の計算に影響があったのです。

上の計算式からすると、所定労働日数が減るということは、時給が上がるということです。

今年は時間外手当が気持ち上がったなあ、と感じるかもしれません。

減額金の計算

さて、遅刻した、早退したなどという場合、減額されることがあると思います。

給与にはノーワークノーペイという原則があり、働かない分は払わないよ、ということです。

月給の場合、時給×不就労時間が給与から減額されることになります。

不就労の場合はマイナスになるので、今年のように所定労働日数が減ると、時給が上がるので、減額される額も増えることになります。

短時間勤務者は?

年ごとに時給が変わるのは違和感がありますが、基本給は労働日数に関わらず変わらないのですから、そこはいいんじゃないかな?と思います。

※時給が変わることは従業員に通知すべきだと思いますが。

先日、短時間勤務の方から「給料が減ってしまうんだ」という話を聞きました。

※ここで言う短時間勤務者とは、小さいお子さんがいて、保育園への送り迎えなどがあるため、就労時間を短くして契約している方のことです。

短時間勤務者は、短縮した時間を不就労として扱われ減額されます。時給が上がる今年は減額金が大きくなるので給料が減ってしまう、というわけです。

??なんか変だな?

短時間勤務者は別に遅刻や早退をしているわけではありません。あくまで他の方より短い労働時間で契約しているだけなのです。

なのに基本給が下がってしまうようなことがあっていいのか?と思うのです。

フルタイムで働いている人も年間所定労働日数に応じて基本給が変わるならいいのです。しかしそうではないでしょう。

ネットで調べてみたのですが、短時間勤務者の給与計算は概ね、短縮した時間を減額しているようです。

ノーワークノーペイの原則に従えば、働いていないのだから減額をするのだそうです。

それどころか「会社への貢献が低いから、もっと給料を減らせないか」などといった記述も見ることができるくらいでした。

正直、短時間勤務者に対して、未だに根強い偏見があるように見受けられます。

個人的な意見としては、時給制にして働いた分について支払うとか、短縮した所定時間をもとに基本給を決定する(固定にする)べきなのではないかと考えます。

小さいお子さんをもつ方への理解はまだ全然ダメで、知人の中には子供を産む際に退職することになった人もいますし、復職もままならないなんて話も聞きます。

またこれからは、介護による短時間勤務者とか休職者なんて話もたくさん出てくることでしょう。

社会の理解、特に年輩のおじさま方の理解なくしてこれからの労働環境は成り立たない気がするのです。

この話は、ただ私の違和感や不満を書いているだけなので、何か正解があるというわけではないのであしからず。