非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

令和2年に向けての所得税改正

システム屋として、給与計算のシステムをメンテナンスしているのですが、毎年、法改正がないかとドキドキしています。

残念なことに来年、所得税の改正があることが分かってしまったので、簡単にまとめてみました。

給与収入と給与所得

所得税の話が出ると、収入とか所得とか、どう意味が違うのか分からないことがあります。

給与収入とは会社からお給料としてもらった額の総額です。これには賞与も含まれます。

ポイントは実際に銀行口座に振り込まれた額ではないということです。

銀行口座に振り込まれるのは、基本給や時間外手当などから税金や社会保険、その他もろもろ差し引かれた金額です。

ここでいう給与収入とは基本給や時間外手当など、会社からもらう金額の合計で、もろもろ差し引かれる前の金額のことになります。

この給与収入には課税と非課税があり、法律等で決められているのですが、一般に給与収入と言われるのは課税対象となる金額です。

給与所得とは、給与収入から給与所得控除額を差し引いた金額になります。

給与控除額とは、給与収入の額に応じて決定される金額のことです。会社員はスーツ代とか書籍代など自分で購入したものを経費として落とすことが出来ないことが多いのですが、その代わりに一定額を税額控除してもらえるのです。

給与所得が決まると、そこから基礎控除額など、色々と差し引かれていき、最終的に所得税額が決定するのです。

所得税改正

令和2年からの所得税改正については、項目が盛りだくさんだったのですが、お給料をもらっている人にとって大きいのは給与所得控除額の変更と基礎控除額の変更でしょう。

給与所得控除額の変更

簡単に言うと、給与所得控除額が10万円減ります。

また給与収入が850万円を超えると控除額がもっと減ります。

以下は令和1年と令和2年の給与所得控除額を求めるための計算表です。

令和1年

給与等の収入金額 給与所得控除額
162.5万円以下 65万円
162.5万円超180万円以下 X×40%
180万円超360万円以下 X×30%+18万円
360万円超660万円以下 X×20%+54万円
660万円超1,000万円以下 X×10%+120万円
1,000万円超 220万円

※Xは収入金額

令和2年

給与等の収入金額 給与所得控除額
162.5万円以下 55万円
162.5万円超180万円以下 X×40%-10万円
180万円超360万円以下 X×30%+8万円
360万円超660万円以下 X×20%+44万円
660万円超850万円以下 X×10%+110万円
850万円超 195万円

※Xは収入金額

控除される額が減るということは、どうやら所得税が高くなるんじゃないだろうか、ということになります。

基礎控除額の変更

基礎控除額は一律10万円引き上げられ38万円から48万円になります。

但し2,400万円を超える所得があると段階的に基礎控除額が減っていき、2,500万円を超過すると0円となります。

基礎控除

個人の合計所得額 控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円

ここで言う個人の合計所得額とは、給与所得ばかりではなく、副業をして設けたとか、お給料以外の収入がある場合、それも足し合わせた額となるところに注意が必要です。

所得税の計算において、給与控除額も基礎控除額も収入から差し引かれます。給与控除額が10万円減る代わりに、基礎控除額は10万円増えるのです。

ですので給与収入が850万円以下の人は結果、控除額に変更がありません。850万円超の収入がある人は増税となる改正となっています。

上記は年末調整に関係する話なので、来年の年末に向けての話ですが、税額が変わるということは月々のお給料の税計算にも変更が出るでしょう。

そう考えると半年ほどしかないので、関連する仕事をしている人(私も含む)は面倒だなあという話です。