知人から「明日返すから1,000円貸してくれない?」と言われるのと「1年後に返すから1,000円貸してくれない?」と言われるのと、どちらにお金を貸すでしょうか。
「明日返す」と言われれば貸すかもしれません。でも「1年後」と言われるとちょっとなあ、と思うかもしれません。返すことを忘れられてしまうかもしれないし。1,000円だし、それならいっそあげるよ、となるでしょうかね。
イールドカーブ
横軸を残存期間、縦軸を金利とし、左から右に向けて残存期間が長くなる債券などの利回りのグラフは、一般的に右上がりの曲線グラフとなります。
このようなグラフをイールドカーブといいます。
なぜ右の方が上になるかというと、貸したお金が返ってくるまで時間がかかるものの方が、より金利を欲しいなとなるでしょう。
また明日のことの方が、1年後のことの方より予想し易いでしょう。つまり期間が長くなれば不確定要素が多くなってくるので、より高い金利が欲しくなってくるわけです。
というわけで、通常、短期金利より長期金利の方が高くなります。
短期と長期の期間は人により、まちまちな説明があるようで、具体的にどのくらいとは言えないのでえすが、なんとなく1年未満は短期、それ以上は中期だったり長期と言っているようです。
米国債に見られる逆イールドカーブ
ちょっと前にアメリカの国債利回りにおいて、10年ものが3ヶ月ものの利回りを下回ったというニュースが出ました。
5月31日現在で、アメリカ国債の10年ものの利回りは、3ヶ月もの、6ヶ月もの、1年ものの利回りを下回っています。
これは逆に右下がりの曲線となるため、逆イールドカーブと言います。
長期金利が短期金利を下回ることは異例で、景気後退(リセッション)の予兆とも言われています。過去にも景気後退局面のサインとして逆イールドカーブが発生したようです。
必要以上に慌てるべきかは分かりませんが、世界的に様々な問題が発生していて、不確実性が高まっているというのは、肌で感じるところではあります。
実は3月くらいのニュースでは、3ヶ月ものを10年ものの利回りが下回ったという話でした。今は1年ものをも下回っています。これがどういう意味なのかは非常に気になります。
今後の動きに注目です。
ところで、親しい知人であっても、なくなってもいい程度の額ではないなら、お金は貸し借りしない方がいいと思っています。
お金でケンカ別れをするのはつまらないことですからね。