非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

毎月分配型の投資信託は買いか?

日経新聞によると、国内公募の追加型株式投資信託で、6月末時点の残高トップは3カ月連続の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」だったそうです。

このファンドは残高を増やした、つまり投資された額が増えた上での1位ですから、大変な人気なんでしょう。

実績を見るとスゴいなあと思わせる数字で、ついつい買いたくなってしまうのですが、私が買うことはないでしょう。

というのも「毎月分配型」という商品だからなのです。

「毎月分配型」というのは、その名の通り、毎月分配金を受け取ることが出来る投資信託のことです。

毎月お金を受け取れるなんて、スゴいじゃないか!ということで人気になりやすい商品です。売る方にとっても売りやすい商品なんでしょう。

そんな素晴らしい商品ですが、分配金はどうやって捻出するのでしょうか。普通に考えれば運用して得た利益から出すということになるでしょう。

でもいつも安定して分配金を払えるような利益を運用で出すことが出来るかは分からないところです。景気とか市場の状況によってはそううまくいかないことも多々あるでしょう。

ファンドによっては得た利益以上の分配金を出しているものもあるようです。

当然ですが、ない袖は振れませんから元本を削るしかありません。元本を削れば基準価額が下がっていきます。結果、毎月分配金を受け取っているのに、トータルでマイナスになってしまったなんてことになってしまうのです。

もう一つ問題があります。仮に高い運用益を出し、分配金を出しても十分プラスという状況だったとします。

それでも分配金を出すためには利益を確定しなくてはいけません。確定した利益には税金がかかりますから、その分だけマイナスになってしまいます。

また、再投資することで得られるはずの複利を得られなくなってしまうのです。

高い利益を出せる運用者であれば、分配金をもらうことでファンドの規模を小さくするよりも、それを再投資して更に増やしてもらった方がいいと考えます。

かのウォーレン・バフェット氏は言いました。「配当金をもらうよりも、優秀な経営者に再投資してもらい株主価値を高めてもらう方がいい」と。これは株の話ですが、投資信託も同じことです。

多分、バフェット氏の言葉です。正確にこう言ったかは覚えていませんが。少なくとも私の中のバフェット氏はこんなことを言っていたはずなのです(笑)。

定年退職した方が毎月分配金をもらえますよ、なんて勧めれられて退職金をつぎ込んでしまい、最初のうちは分配金が入ってくるのでお小遣い気分で喜んでいたけど、気づいたら大きく元本割れしていた、ということはある話のようで、それでは目も当てられません。

毎月分配型の全てがダメというのではないでしょうが、リスクがあるのだということを理解し、気を付けなければいけません。

誤解のないように書いておきますが「毎月分配型」の話は一般的な話であり、私の認識です。ピクテさんは素晴らしい運用会社ですし、上記ファンドがこの話に当てはまるということではありません。

ただ私のルールとしては買わないし、人には勧めないというだけのことです。