非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

派遣社員の年数に応じた賃金上げへの期待と懸念

厚生労働省派遣社員に対して勤続年数や能力に応じて賃金を払うように義務づけるという指針を出したそうです。

20年4月から始まる「同一労働同一賃金」に合わせて、正規雇用者と非正規雇用者の不合理な待遇差をなくすという目的があるようです。

世の中には不合理なことが多くて、大して働いていない人が高給取りで、給料の低い人を顎で使っているなんてことは日常茶飯事な気もします。

そんなわけでしっかり働いている派遣社員さんが賃金で評価されるのは良いことだと思うのです。

同一労働同一賃金には違反の罰則はないものの、行政指導が入るとのことなので、非席雇用者の待遇向上に繋がるかもしれません。


と言いつつ、私は疑いの目を向けてしまいます。以前、知り合いが派遣社員として働いていました。頑張って働いていて3年くらいが経過した頃です。

当時、3年働いた派遣社員に対して雇い主は正社員として働く意志があるか確認を取らないといけないとかいうルールがあったかと思います。

しかし知人はそういう確認を取られることなく、3年で雇用解除となりました。これは誰もが知っている有名企業での話です。


そんなわけで派遣社員に高い報酬を払うなら、派遣社員を頼まないという企業が出てくるでしょう。

かと言って人が足りないので、正社員は超過労働を求められる、でも超過労働出来る時間は法律で決まっている。そこでサービス残業やら記録に残らない労働というのが増える可能性が出てくるでしょう。


人件費が上がるということは、その分売り上げを上げる必要が出てきます。かと言って値上げをするのは簡単なことではありません。では上昇した人件費をどこで賄えばいいのでしょう。国はそこまでは提示してくれません。

被雇用者としては国主導で賃金が上がるのは有り難いことかもしれませんが、雇用者としてはどう遣り繰りするのか頭の痛いところではないでしょうか。

また同一労働同一賃金という考え方は給料をもらうという観点からは良いことのようにも思えます。しかし、それは企業により差がない、競争がないということに繋がらないのでしょうか。

どこで働いても同じ賃金なら楽な方がいいと思うのが人というものです。


この制度がどのように施工されるのか、世間がどう解釈するのか楽しみでもあります。