非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

7ペイサービス終了

昨日7ペイが9月末をもってサービスを終了するという発表がありました。7月1日に大々的にスタートしたサービスがわずか2ヶ月で終了となっただけにダメージは大きいことでしょう。

セキュリティの脆弱さゆえに不正アクセスを受けて、1,574人計約3,240万円の被害を認定したとのことです。また個人情報の流出も懸念されています。

会社規模から考えれば3,240万円の損失はそれほど大きいものではないのでしょうが、失った信頼というのはいかほどのものなのでしょうか。

私個人としてはサービス開始後早々にアプリをダウンロードし、ユーザー登録はしたものの、課金の仕方が分からずモタモタしているうちに今回の問題が発生したので、何も被害に巻き込まれずに済んだのでした。が、今後個人情報流出といった問題には巻き込まれるのかもしれません。

セキュリティ面を強化して、現在の仕組みをアップデートするとして、その費用がどのくらいかかるのか、期間がどのくらいかかるのか、と考えた時に、相当に大変なことになることが予想されます。であるのなら、サービスを終了しようという判断に至ったのは英断だと思います。

ここまでに掛けたコストは莫大なものであると想像できます。サービス終了というと、それを捨てることになるのですから中々判断出来ないところです。

ちなみに、どうにしても回収できない費用のことをサンクコストといいます。埋没費用ともいいます。多くのビジネスでサンクコストを取り戻そうとしてダラダラ引きずり損失を拡大してしまうものです。こういうことをサンクコスト効果またはコンコルド効果といいます。

今回のケースでは今後どう頑張っても、7ペイに掛けたサンクコストは回収出来ないのであきらめようという判断だったのだと思います。


ところで、今回経営陣にセキュリティの意識が薄かったからこういうことになってしまったのでしょうか。

私の個人的な意見ですが、経営陣は何も考えていない、何も分かっていないというのが実状だったのではないかと思うのです。ただ「スマホ決済に対応しろ」と指示を出しただけなのではないかなあと思います。

現場では「こんな仕様無理だよ」「こんなセキュリティじゃやばいよ」「こんな工期じゃ無理だよ」「いやプレスリリースしたので期限は厳守です」「なんとかしろ」「やってられないよ」というシステム開発あるあるが展開されていたのではないでしょうか。

概ねシステム開発において、上の人は何も現実を分かっておらず夢みたいなことばかり言うものです。そして大きな問題が起きて開発が悪い、下請けが悪いと文句を言うのです。

システム開発を理解出来ない人が上に立った結果として招いた、よくある出来事の極めて大きい規模の事件であったのではないかと私は思っています。