「リスク」と聞いて、いいイメージを持つ人はいないことと思います。
あの株を買うのはリスクが高いよ。
この投資はビジネス的にリスクが高いでしょう。
このシステムはセキュリティ上リスクが高いです。
などなど。思いつくのはネガティブなイメージばかりです。
辞書でも概ね負のイメージがある定義ですね。
これが金融の話となると若干ニュアンスが変わってきます。
もちろん損をする、といったネガティブな意味もあるのですが。
例えばビジネスにおいて投資する場合、失敗する可能性もあるでしょうが、成功する可能性もあるわけです。
株を買う場合、損をする可能性がある一方で、得をする可能性もあるわけです。
これって不確実なことなんですね。こういう不確実なことをリスクと言うのです。
標準偏差の話で必ず出る図、釣り鐘状のグラフ(正規分布)ですが、あれは幅が広ければ不確実性が高く、狭ければ不確実性が低いということになります。
不確実性が高いとリスクが高く、不確実性が低いとリスクは低くなります。
株で考えれば、価格の変動幅が大きければリスクが高い、変動幅が小さければリスクが低いということになります。
債券は株に比べるとリスクが低いでしょう。
つまり金融ではリスクは、ネガティブさとポジティブさの両面を備えていると言ってもいいでしょうね。
私は金融屋さんではないので、実際にこういう表現を普段からするのか分かりませんが、リスクと言うより不確実と言ってもらった方が分かりやすいですけどね。
ところで変動幅が大きい、つまり大きく儲かるかもしれないけど大きく損をするかもしれないことをハイリスクハイリターンと言いますね。逆に変動幅が小さい、つまり小さい損で済むかもしれないけど儲けも小さいことをローリスクローリターンと言います。
この場合のリスクはネガティブなイメージになりますね。
我々としてはローリスクハイリターンを求めたいところですが、そんな都合のいいリスクはないのです。不思議とハイリスクローリターンというのはあるんですけどね(笑)。