非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

投資信託の手数料をどの程度意識するべきか

積立投資で投資信託を買う場合に選択肢として人気が高いのがeMAXISシリーズです。私もいくつかを購入しています。

人気が高い理由は信託報酬の低さでしょう。インデックスに連動する投資信託はどのファンドに投資しても同様のパフォーマンスを期待出来るので、手数料が安ければパフォーマンスが更に上がるというわけです。

例えば「eMAXIS 先進国株式インデックス」というファンドがあります。これは信託報酬が0.66%となっています。100万円投資しているなら年に6,600円がコストとしてかかることになります。

数年前、同シリーズからeMAXIS Slimという商品が登場しました。これは更に信託報酬が低く設定されています。「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」であれば0.11%となっています。こちらは100万円投資しているなら年に1,100円がコストとしてかかることになります。

eMAXISシリーズが登場した当初、その信託報酬の低さに驚いたのですが、Slimシリーズが出たとき更なる低さに逆に大丈夫なのかな?と思うほどでした。

パフォーマンスが一緒であるならコストが低い方がいいのは間違いありません。先ほどの例だと年にたった5,500円の差ですが、それが何年も積み重なれば大きくなっていきます。その差額を投資すれば更に差が大きくなっていくでしょう。

実は私は何年も「eMAXIS 先進国株式インデックス」を購入していました。Slimシリーズが出たときにどうしようかと迷いました。信託報酬が大きく下がっていることを考えると持っているものを売却して買い換える方がいいのではないかと思ったのです。

そこで問題になってくるのが税金です。もし利益が出ていないなら税金はかからないので買い換えるのがいいでしょう。しかし、と言うか幸い私の場合は利益が出ていたのです。確かアベノミクスの上昇もあって40%くらい利益が出ていたかと思います。

例えば100万円投資していて40万円の利益が出ていたとします。

これを全て売却すると約20%の税率なので8万円ほどが税金として引かれてしまいます。

一方、信託報酬率は0.66%ー0.11%=0.55%の差が出ます。よって140万円×0.55%=7,700円が年間の信託報酬差となります。つまり税金で引かれる分に手数料による損失が到達するのに10年以上かかるのです。

保有している投資信託の価額は一定ではないので、上の通りにはなりませんが、どうやら10年くらい先にならないと違いのほどが分からないという状態です。

考えているうちによく分からなくなってしまったので買い換えをやめ、積立をSlimシリーズに変えるだけにしました。もしかしたら税金としてかかる8万円が10年後にもっと大きくなっているかもしれませんし、買い換えた方が10年後にもっと儲かるかもしれません。こればかりはどうなるか分からないと思ったのです。

よく分からないなら面倒なことはしないと割り切ることにしたのでした。

eMAXISだけではなく手数料を下げるファンドが増えています。手数料は大事な要素のひとつなのですが、結局のところ一番大事なのはパフォーマンスでしょう。また税金などのコストも重要な要素です。あまり手数料にばかり重きを置くのもどんなものなんだろう、と思わないでもありません。

もしeMAXISを買い始めた頃にNISAがあれば、非課税ですから買い換えが出来たでしょう。今更ながらNISA使えるなあと思っています。そして使いこなせていない自分が残念です。