非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

NISAのロールオーバーとは

先日、証券会社からNISAをロールオーバーするかについてのお知らせが届きました。

NISAは、その口座において年間120万円までの投資額に対して利益が非課税になるという制度です。ポイントとなるのは有効期限が5年間であるところです。つまり5年間経過すると非課税の優遇制度がなくなってしまうのです。

ロールオーバーとは非課税の対象期間が終了してしまう分を翌年に引き継ぐことです。私のもとに届いたのは2020年の非課税枠にロールオーバーするかということですので、2015年に利用した非課税枠に対する投資ということになります。

具体的にどういうことかというと、2015年にNISA口座で投資して今も保有している金融商品について、2020年分のNISA口座に引き継ぐということです。

もし2015年に投資した分が現在100万円分あるとします。これを翌年にロールオーバーすると2020年分の枠120万円のうち100万円分を使って保有している金融商品を引き継ぐことになります。つまり2020年は新規に20万円分の枠しか残らないことになります。

もし2015年分の現在価値が140万円になっている状態でロールオーバーすると120万円の枠を全て使い切ってしまうので2020年には新規に投資することが出来なくなります。

ロールオーバーをしないとどうなるかというと残高は全て課税口座に移管されます。そのとき取得価格が移管時の評価額となります。もし2015年に100万円で購入して移管時に150万円になっているとします。課税口座に移管後、160万円になった場合、移管時の評価額から増えた10万円のみが課税の対象となります。

さてロールオーバーをするメリットはあるのでしょうか。

保有している金融商品が利益を上げている場合はどうでしょうか。これについてはメリットを感じないというのが正直なところです。課税口座に移管しても、その時点での利益については非課税が確定していますからロールオーバーをする必要はないと思うのです。

もし来年の枠でも同じものを購入するつもりである、という場合は購入手数料分だけ得かもしれません。が、メリットは限定的なのではないでしょうか。

一方、損をしている場合はどうでしょうか。NISA口座で残念なところは損失が出た場合に損益通算を出来ないところです。ですからNISA口座で損失を出すことはデメリットしかありません。今は損失を出しているけど将来的に利益に転換するという信念があるのならロールオーバーするといいかもしれません。

もし課税口座に移管した後で利益が上がった場合、その利益に対して税金がかかります。例えば100万円で購入したものが5年終了時に80万円になったとします。これで課税口座に移管すると80万円で取得したことになります。移管後に20万円上がって元の100万円になったとします。すると元に戻っただけなのに20万円に対して税金がかかることになります。

このように状況に応じてロールオーバーするべきかどうかは変わってくるでしょう。

個人的には5年保有して損失が出ているなら、よほどの理由がない限り売却でいいとは思いますが。

私に関して言うと、ロールオーバーはしないです。利益が上がっているものは課税口座に移管、損失が出ているものは売却しようと思っています。

まあNISAをやめて、つみたてNISAにしたいからというのも理由のひとつですが。