株式投資をしていると配当金をもらうことがあります。
配当金を出してもらうよりも再投資して企業価値を高め株価を上げてもらった方がいいという話もあるかもしれません。でもやはり配当金をもらうと嬉しいものです。
株価は上がるか下がるか不確実なものです。しかし配当金というのはある程度確実に受け取ることが出来ることもあり投資する上では検討すべき要素のひとつではあると思います。
配当金を受け取ると当然所得税がかかります。上場している株の配当金には所得税と復興特別所得税として15.315%、地方税として5%の計20.315%が課されます。これは平成26年1月以降の話です。
通常、配当金は源泉徴収された残りが証券会社の口座に振り込まれています。
このように配当金(配当所得)に対してのみ課税されることを申告分離課税といいます。申告分離課税を選択している場合、株式の売買等で損失が出た場合にその損失額と配当金を相殺することで配当金に課税された額が還ってくることがあります。
これを損益通算といいます。
証券会社では特定口座を選択している人が多いと思いますが、同じ証券会社の口座内での損益通算は自分で行う必要がありません。つまり確定申告をしなくても良いということです。
ただし複数の証券会社で口座を持っていて、別々の口座での取引に対して損益通算をしたい場合は確定申告が必要になります。
ここまでが一般的な配当所得に対する課税に関する話だと思います。
上で「申告分離課税を選択している場合」と書きました。つまり申告分離課税を選択しないケースもあるということです。それはどういうことなのでしょう。
それは総合課税を選択する場合です。
総合課税とは給与所得とか事業所得といった他の所得と合算して所得税を求めるもので、累進課税と言われる所得に応じて税率が変わる課税方式が取られます。
つまり給与所得等に配当所得を合算して、その合計額に課税されるということになります。
例えば給与所得は、給与等の収入から計算式に基づいた額を控除した額となります。収入が全て課税対象となるわけではありません。
配当所得も同様です。ちょっと複雑なので国税のHPを参考にして下さい。
総合課税を選択するか申告分離課税を選択するかどちらがいいかは状況によります。現時点では課税総所得額が695万円を超過する場合は総合課税を選択すると損になるようです。
また損益通算をしたい場合は申告分離課税を選択する必要があります。
個人的にはよほど配当所得が多いということでなければ、手間等考えて、また損益通算のメリットを受けることが出来る点を考えて、申告分離課税で良いのではないかと思うところです。
最後に配当控除はなぜ行われるのでしょう。配当金とは法人の所得に対して課税され(法人税)た残り、つまり純利益の一部を株主に分配するものです。これに所得税や地方税を課税するということは、法人税と所得税、地方税の2重課税をしていることになってしまいます。この2重課税を調整しているのが配当控除なのだそうです。
果たしてどう調整されているのか、妥当なのかは分かりませんが、そういうことのようです。