最近では投資信託にノーロードという商品が多くなっています。ノーロードとは購入時の手数料が0円であることです。積立投資では出来ることならノーロードの商品を選ぶ方が良いでしょう。
では積立投資で考慮する手数料とは何かというと信託報酬となります。これは年率0.5%などと書かれています。
これは投資信託を保有している間かかるコストで、資産運用会社に払う手数料と思っていいでしょうし、運用している側にとっては売上となるでしょう。
※信託報酬は資産運用会社、販売会社、信託銀行に対する手数料の合計となります。
最近では投資信託にかかるコストと言えば信託報酬のみと考えてもいいでしょう。積立投資を考える場合、基本それ以外のコストは払いたくないというのが正直なところです。
投資信託の商品説明等を見ると、信託報酬率は年率で書かれています。実際には日割り計算にて毎日差し引かれています。
信託報酬額(日額)=基準価額×(信託報酬率÷365)
という計算式になります。基準価額とは投資信託の現在の価格のことになります。信託報酬の計算では自分が保有している資産残高と考えていいでしょう。
私が積立投資を始めた15年以上前は信託報酬が1%を超えていても珍しくはなかったと思います。しかし今では0.1%を切るような商品も出てきています。
ここで簡単なシミュレーションをしてみましょう。
つみたてNISAで毎年40万円積み立て、年率5%で増えていくこととします。これを20年間続けた場合に20年後にいくらになっているでしょう。
信託報酬は1%と0.1%、また信託報酬がない場合について検証してみました。
結果は以下の通りです。
年 | 0% | 1% | 0.1% |
---|---|---|---|
1 | 40 | 40 | 40 |
2 | 82 | 81.5 | 81.9 |
3 | 126.1 | 124.8 | 125.9 |
4 | 172.4 | 169.7 | 172.1 |
5 | 221.0 | 216.4 | 220.5 |
6 | 272.0 | 264.9 | 271.3 |
7 | 325.6 | 315.4 | 324.6 |
8 | 381.9 | 367.9 | 380.5 |
9 | 441.0 | 422.4 | 439.1 |
10 | 503.1 | 479.1 | 500.6 |
11 | 568.2 | 538.0 | 565.1 |
12 | 636.6 | 599.3 | 632.8 |
13 | 708.5 | 662.9 | 703.8 |
14 | 783.9 | 729.1 | 778.2 |
15 | 863.1 | 797.9 | 856.3 |
16 | 946.2 | 869.4 | 938.2 |
17 | 1033.6 | 943.8 | 1024.1 |
18 | 1125.2 | 1021.1 | 1114.3 |
19 | 1221.5 | 1101.4 | 1208.8 |
20 | 1322.6 | 1184.9 | 1308.0 |
信託報酬率により結果が大きく変わることは分かるかと思います。
最初の数年はさほど差が出ませんが、長期間となるにつれ確実に差が広がっていきます。
0.1%という信託報酬はかなり低いものですが、それでも20年も積み上がると14万円も手数料を払うことになるんですね。また1%と0.1%の信託報酬で結果を比較すると120万円ほどの差が出ています。
毎年5%ずつ増えるなんて都合のいいことはないでしょう。また話を簡単にするために信託報酬は年に1回払うものとしています。そんなわけで机上の空論と言われればそれまでなのですが、信託報酬率が低い方が有利であることはよく分かりますね。