非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

プロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学

90年代と言えば、新日本プロレス闘魂三銃士全日本プロレス四天王プロレスが全盛期の時代でした。

全日本プロレス四天王プロレスに至るには最初はジャンボ鶴田という大きな壁を乗り越えていく物語でした。そこから突出した4人のレスラーによる激しいプロレスに繋がっていったのが四天王プロレスであったと思います。

我々ファンは目の前で繰り広げられる激しいプロレスに一喜一憂し、興奮し、無責任な応援をしていたのでした(そう思うのは随分後のことですが)。

そんな四天王プロレスを繰り広げた4人で今もプロレスを続けている人はいません。唯一プロレスラーとしての引退をしていないのが川田利明さんですが、プロレスをしなくなって10年くらい経つそうです。

私が最後に川田選手を見たのはハッスルのリングであったと記憶しています。

さてそんな川田さんが出した本が「開業から3年いないに8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学」です。

川田さんがラーメン屋さんをやっていることはファンの間では有名なことなのです。それも随分長いことやっているのも知っています。

私にとっては生活圏にないところで営業されている店舗なので全く知らなかったのですが、有名人がやっているのだから、それなりに流行っているお店なのだろう。だからこそ長く続いているのだろう。と思っていました。

果たしてどんな本かと読んでみたのですが、想像以上にプロレスのことは書いていない、本当にラーメン屋を経営している方のリアルな告白といった感じの本でした。

川田さんはラーメン店を開業してから10年になるそうです。10年も続いているのだから、さぞ成功しているのだろうと思いきや、どうやらそうでもないようなのです。

謙遜もあるのかもしれませんが、相当にご苦労されていることは本文を読んでいれば分かります。

読んでいて思ったのが、立ち仕事のため体力的にキツい、休めない、お客さんの対応が大変である、金策が大変である、などなど。

普通の人に比べれば体力がある、お金もある、人脈もある、そんな川田さんがそう言うのですから、普通の人ならなおのことでしょう。

飲食店を始めるとなると料理をどうしたらいいのか、なんてことを私なら考えてしまうわけですが、料理とか味よりも他に大変なことが沢山あるのですね。

本文にもありましたが「飲食店にとって、もっとも大事なのはラベリング効果、味覚は1割もない」という話があるのだそうです。人気店になるには話題作りとか、ブランドイメージを付けるとか、そういったことの方が味よりも重要だということでしょう。

味を知らなくても、行列が出来ていたら美味しいのかな?と思って入ってしまうのも同じ様なことでしょう。

川田さんは味に拘っているために、それはそれで大変である、またそのための一手間にお客さんは金を払いたがらないということも書いていました。

この手の本は大体が成功譚でしょう。途中に大きな失敗があってもそれを乗り越えて大成功を手に入れたという類でしょう。

川田さんの本を読んで感じたのは、もし私が飲食店をやったら同じ様な失敗をするな、川田さんのように資金力がないからすぐ店を潰すなということでした。

あと客商売は大変だ、SNSは恐ろしいというのも改めて感じました。

この本にはビックリするくらい夢がありません。驚くくらいに現実が書かれています。それだけにもし飲食店を、特にラーメン屋さんを始めたいという方は一読するべきだと思いました。

私が個人的に好きだったのは、川田さんがラーメン店を始めた理由が、借りたテナントで前にやっていたお店がラーメン店だったから、そして居抜きで借りるから道具も揃ってると思っていたからだという点です。ちなみに道具も何も残っていなくて全て買うことになったようですが。