レパトリエーションという言葉があります。略してレパトリなどと言われるようです。リパトリとも言うようです。これは英語のrepatriationから来ているので、まあどちらでも良いでしょう。ここではレパトリと言うことにします。
そもそものrepatriationという単語には「帰国」とか「本国送還」という意味があります。
金融においては、レパトリとは外貨資産を自国に引き揚げたり、また自国の通貨に換金することをいいます。
例えば海外に投資している金融業者や保険業者はレパトリに関係する一例でしょう。また自動車などの輸出産業が強い日本においては、海外での売り上げを日本に戻し、いずれは円に換金するでしょうから、同様にレパトリが行われる代表格と言っていいでしょう。
レパトリと為替の影響
例えば企業の決算期には、決算に備えて海外の資金を日本に戻します。
アメリカで商売しているなら、持っている米ドルを円に換金することになります。これは「米ドルを売って円を買う」という流れになります。結果、円高になるという傾向があります。
日本では3月決算の企業が多いですから、2月、3月あたりは円高傾向になるのかな?と想定するわけです。
個人投資家はもちろん、機関投資家と比べでも大きな金額を動かすのですから、影響力は中々のものと思われます。ちなみにこういう力を持ったお金を実需と言います。実需に逆らってはいけません。
災害などの影響
東日本大震災のときには、多額の保険金支払いが発生するだろう、多くの企業がお金を必要とするだろう、という思惑から投機的な資金の流れが生まれ大きく円高が進んだと言われています。
ここ数年、災害が多く発生していることから、同様の為替変動が不定期に起こることも予想されるわけです。
レパトリ減税
レパトリに関して調べると、よく出てくるのがレパトリ減税です。
アメリカでは、国内外に関わらず利益に対して35%の法人税を課しています。つまり国外での利益には現地での課税と本国での課税があるということになってしまいます。
これではバカバカしいということで、アメリカにお金が戻ってこなくなってしまいました。というのも米国内に還流しない資金にはアメリカの課税がされないからです。
そこでトランプ大統領政権下でレパトリした資金に対して減税をするという方針が打ち出されたのです。税収は下がるでしょうが、米国外にある莫大な資金が戻ってくるメリットは大きいということでしょう。
企業は国内について戻ってきた資金を自社株買いをしているようです。これが好調な米国株式相場を下支えしているという見方もあるようです。