非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

純資産残高が大きければいい投資信託なのか

投資信託を評価するにあたり、様々な基準があります。その中に純資産残高があります。

純資産残高が大きいということは、その商品に大きいお金が入ってきている、つまり売れていると言えるでしょう。

現在、国内で最も純資産残高が大きいのは「ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配)」で、9712億2900万円なのだそうです。

この商品は世界の高配当公益株式に投資しているようです。人気である特徴は、恐らく毎月分配金があるところでしょう。

同商品のサイトを見ると、2005年に運用を開始して以来、累計12,030円の分配金を出しているのだそうです(若干古い情報のようです)。これは運用開始時点での基準価額を10000円としているので、投資額の倍を超える分配金が出ていることになります。

では15年経った現在の基準価額はいくらかというと2687円なのだそうです。

え?15年で基準価額が4分の1ほどになってるじゃん、と思った方もいることでしょう。もちろん現在の市場状況も影響しているでしょうが、それにしても随分下がっていますね。

これはファンドが受け取った配当金以上の分配金を出していて、そのために原資を取り崩しているのではないかと考えます。

このファンドは長期に渡って分配金を出しており、その分配金は下がっている基準価額を十分に補っているので、良い商品と言ってもいいのかもしれません。

毎月分配金型の商品は依然として人気があるようです。しかし私としてはあまりオススメは出来ません。

毎月分配金を出すために無理をして、結果破綻してしまうようでは困ってしまいます。ピクテですら基準価額を大きく減らしているのです。原資が減れば出せる分配金が減る可能性も出てくるでしょう。

何より残念なのが分配金には税金がかかることなのです(元本に手を出して払う分配金には税金はかかりませんが)。いいファンドであれば分配金を出してもらうより、再投資して運用してもらう方が資産が増える可能性が上がります。

毎月入ってくるお金とはうれしいものですが、長い目で見たときにその分配金が資産を増やす可能性を下げているかもしれません。毎月分配金型は、そういうことを知った上で買うべきでしょう。

ちなみに純資産残高はある程度大きい方がいいと思っています。運用会社は信託報酬などの手数料で儲けているのですご、純資産残高があまりに小さいと運用会社に利益が入って来ないで、やっていけないという残念なことにもなりかねないのです。