積立投資、ドルコスト平均法はダメな投資法だと捉えられなくもない記事がありました。
なぜ「捉えられなくもない」という曖昧な表現なのかというと、今の急落相場で積立投資は使えない投資法だと思わせるような記事のタイトルなのです。
そこで記事を読んでみると、積立投資やドルコスト平均法が証券業界にとって都合が良かったというようなことが書いてありました。ですがそれが使えない投資法であるというようなことは書いてありませんでした。少なくとも私には読みとれませんでした。
ちなみにどう都合が良かったかというと
バブル崩壊で株価が下落してしまった→買いが入らないので下落していく一方だ→株を買っても儲からないから投資をする人が減る
という状況下で下落相場でも買いに回ることが出来る積立投資は投資家を集める、投資資金を集める上で効果があったというのです。ああなるほど、さもありなんという話です。
証券業界にとって都合が良かった手法であることと、その手法が投資家にとって良いかどうかは全く別の話であってピンと来る記事ではありませんでした。
最近はタイトルで引きつけて、でも本文を読んでみると、タイトル関係ないじゃんと思うような記事があり、しっかり中身を読まないと勘違いしてしまうことも多々あります。
ここでその記事を批判したいわけではありません。最近、積立投資やドルコスト平均法を絶対儲かる手法とか、これがベストだみたいな書籍や記事を多く目にするのです。でもそれは違うんじゃないかな、ということを考え直す良いきっかけになったのでちょっとだけ取り上げてみました。
さて積立投資をする=ドルコスト平均法で投資するということだと思っていますので、ここではドルコスト平均法について考えてみます。
私は長いことドルコスト投資法を使って積立投資を続けています。この手法がベストかというとそうは思えません。
ベストな手法があるとすれば、それは最安値で買って最高値で売ることです。でもいつ訪れるか分からないタイミングを見計らう、そんなことは出来ません。そこで定期的に買い続けていきましょうという手法を使うのです。
ある時は最安値近辺で買うことがあるかもしれませんし、最高値で買ってしまうこともあるでしょう。ドルコスト投資法って下落相場においてはナンピン買いです。つまり何回も買っていくことで買値の平均値を下げていっているのです。
今のような下落相場において継続的に買い増していくことで買値の平均値は下がっていくことでしょう。
一方、上昇相場においても継続的に買い増していくので逆に買値の平均値は上がっていきます。でも価格が上がっていますので利益も出てくることでしょう。
相場の状況に関わらず買い続けていくので、いい時もあれば悪い時もある、そんなわけでベストとは言えません。
またドルコスト平均法を使うと絶対に儲かるかというとそうでもないでしょう。ずっと右肩下がりの相場であった場合、買値の平均値はドンドン下がっていきます。しかしその平均値を価格が超えなければ利益は上がりません。そうなると儲からずに終わってしまうことがないとは言い切れないのです。
しかし世界の株価を見る限り、何だかんだ言って右肩上がりであると思います。長いこと続けているとそのうち買値の平均値を価格がが超えて利益が出てきます。日本の株も色々言われますが、長期的に投資を続けていればそのうち価格は平均値を超えてくるでしょう。
正しい認識かは分かりませんが、大数の法則により値は長期的には平均値に収斂されていきます。その過程では平均値の上下にぶれるものです。その平均値の上にある時に売れば儲かるのかなと思っています。
統計学の釣り鐘状のグラフを考えるといいかもしれませんね。
ちなみに個人的な経験から言うと、長いこと投資を続けていると価格が平均値に収斂されるというよりも、その上にいると思います。結構利益が上がっていると思うんですね。ではそれは何故なのかと考えると、かつてもリーマンショックの頃に安値で積み立てていた分が大きく影響しているんじゃないかなと思っているんですね。
そんなわけで今は実は買い時、仕込み時なんじゃないかなと思っています。だからと言って特別なことをするのではなく、いつも通り淡々と定額を積み立てているだけなのですが。
ドルコスト平均法は平均よりちょっと上を目指そうという、あまりポジティブではない戦略だと思います。でも結果は決して悪くないと思っています。
そんなわけでドルコスト平均法は特別良い方法だとは思っていませんが、悪くない投資法だと思っていますし、投資をしたいと思っている方にもお勧めする再現性の高いものだと考えています。
ちなみにドルコスト平均法に必要なスキルがあるとすれば、ただ淡々と決まったタイミングで決まった額を積み立てていく我慢強さ、あるいは無神経さではないかなと思っています。