20日のニューヨーク原油先物市場で驚くようなことが起きました。
なんと価格がマイナスとなったのです。これは史上初のことだそうです。その価格は1バレルマイナス37.63ドルとなっています。前日からは55.9ドル下落しています。
正直、バレルという単位も価格もピンと来ないのです。史上最高値は2008年7月11日に1バレル147.27ドルを付けています。その価格から考えるとかなりの下落ですし、その幅も大きいのかな?という感じです。
値動きのグラフを見ると、直近の急激な値下げが見て取れます。
マイナス価格とはどういうことなのでしょう。先物の話で難しくなってしまうので、単純化してしまいます。
マイナス価格が出たのは5月物というものになるのですが、この取引は21日で終了します。20日の価格で1000バレル買ったとします。そしてそのまま取引が終了すると、1000バレルの原油と約3万7000ドルの現金が手に入ります。逆に1000バレル売る場合は約3万7000ドルを払って1000バレルの原油を引き取ってもらうことになります。
何とも不思議な話なのです。
なぜこのようなことになったのでしょう。
1つにはコロナの影響があるでしょう。外出出来ないので車に乗らない、飛行機に乗らないなどから原油の需要が落ちてしまっています。企業が活動を停止してしまい、工場などでの需要も落ちていることでしょう。またコロナと前後して産油国が増産したという問題がありましたが、これが在庫増に影響しているかもしれません。
在庫が増えてしまったことにより貯蔵の余地が少なくなっているのだそうです。
となるとどうなるか、原油を買っていると貯蔵先を確保出来なくなってしまう、そこで売る、価格が下がるという流れとなっているのでしょう。
日経電子版にありましたが「マイナスの価格は原油の貯蔵コストを意味する」とのことです。
売ったとして、貯蔵出来る余地のない原油はどこに行くのか、よく分からない世界ではありますが、原油が大変なことになっていることは分かりました。
昨日の米、今日の日本ともに石油関連株が売られたようです。