非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

教養としての投資

「ビジネスエリートになるための教養としての投資」という本を読みました。

大変面白い本で、20代の頃に読んでいたら良かったなあと思う内容でした。これから投資を始めたいという方はもちろん、これから社会人になる学生さん、成り立ての社会人にとっても為になる本ではないかと思います。

いい年をした人間にとっては耳が痛いようなことも書いてありますが刺激になりますね。

前半は社会人としての自己投資にいついて多く書かれています。興味深かったところとしては「労働者1.0」と「労働者2.0」というところでした。仕事に対する取り組み方に関する内容ですが、社会人の早い段階で意識しているといい内容ですね。仕事をしていく中でいずれ気付く考え方なのでしょうが、早いうちに知っておいた方が絶対にいいです。

日本経済が低迷し続けている理由として「発展途上国型のビジネスモデルから脱却できなかった」と指摘しているところについては刺さりました。

大量生産によりコストを下げて、製品価格を安くして世界中で売る、というモデルを発展途上国型ビジネスモデルとしています。今では日本は人件費も上がってしまいましたし、他国が似たようなビジネスモデルで挑んできたら価格では太刀打ち出来ないんですね。

そうすると「いやいや日本はモノづくりの国だ。高い技術があるから海外には負けないんだ」という話が出てくるのですが、例えばテレビなんて番組を見ることが出来れば品質に拘らない、むしろ安い方がいいという人も多いことでしょう。そんな中で高い技術を誇っても勝負にならないのです。そういった経験をここ20年くらいずっと味わっていると思うんですね。

本の中でしきりに「参入障壁」という言葉が出てきます。これはウォーレンバフェット氏からよく出てくる概念で、他社が入り込めない壕なんて言われます。

モノづくりや高い技術は大事なのですが、例えばこれを参入障壁とするような他社が真似できないビジネスモデルを作りあげていかないとこれからの日本企業は取り残されてしまうように思います。

後半は投資に関することが書かれています。投資本によくある「○○指標の値が○○になったら買いです」といった類のものではないので、人によっては使えないと言うかもしれません。しかし投資への取り組み方といった部分で非常に参考になる考え方が書かれています。先ほど書いた参入障壁について多く書かれています。

本を通じて感じたことは、人の言うことを鵜呑みにするのではなく自分の頭で考えるのだということです。

投資とは関係ありませんが、こんな一文がありました。

最近、世の中の人々の考え方が非常に短絡的になっていると思いませんか。恐らくインターネットを通じて膨大な量の情報が流れてくるため、自分の頭で何も考えなくなっているのだと思います。

さもありなんと思いました。これってあらゆることに通じるなと思います。投資本であり、啓発本でもあるのですが、一番心に残ったのがここだという私もどうかと思いますが。

何にしろ情報を得たら、自分の頭で考えて咀嚼する、そして初めて自分の力になるんだということは常に頭に留めておきたいですね。

この本、ぜひ若いうちに読んでほしいのですが、もしかしたら若い人には刺さらない、退屈な本なのかもしれません。答えがないですから。あるいは私のように社会人経験を積んできた人間にこそ通ずるものがあるのかもしれません。