非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

月給の時給計算

会社員の方だとお給料を月給で貰っている方が多いのではないでしょうか。

理由があるのか分かりませんが、時給制だと月毎に勤務日数が異なりますから受け取るお給料も毎月変わってきます。これが月給制だと毎月一定の金額を受け取ることが出来るので安心感がありますね(残業代などで毎月異なるでしょうが、最低ライン?は一定ですね)。

最低賃金のニュースを耳にすることがあるでしょう。使用者は最低賃金額以上の賃金を払わなくてはいけません。これは多くの方が知っていることと思います。

ところでこの最低賃金は時給で示されます。よって月給制の方は自分のお給料が最低賃金を上回っているのか実はよく分かっていなかったりするのではないでしょうか。

月給から時給を知ることは残業手当や休日手当の額を知るのにも必要となりますから、ざっくりとでも知っておくといいでしょう。

基本的な考え方

月給から時給を求めるには次のような計算をします。

時給=月給÷1ヶ月平均所定労働時間

1ヶ月平均所定労働時間という言葉が出てきました。勤務する日数はカレンダーにより毎月異なります。例えば2020年8月は土日、祭日1日を除いた20日が所定勤務日数となります(土日が休みの会社の場合)。10月は8月と同じで31日までありますが、所定労働日数は22日となります。

このように月により所定労働日数は異なるため、次のようにして年間を通して各月が同じ日数になるようにします。

1ヶ月平均所定労働日数=1年間所定労働日数÷12

2020年度は1年間の所定労働日数が241日なので1ヶ月平均所定労働日数は20.083日となります。

また時給を求めるためには1ヶ月平均所定労働時間が必要になります。1日の所定労働時間が8時間であれば20.083×8=160.664時間となります。

1ヶ月平均所定労働時間=1ヶ月平均所定労働日数×1日所定労働時間

分かりやすいように1年間の所定労働日数を240日、1日の所定労働時間を8時間とすると、1ヶ月平均所定労働時間=240÷12×8=160時間となります。

もし月給が160,000円だとすると時給=160,000円÷160時間=1,000円となります。

今日2020年8月15日時点で、東京都の最低賃金は1,013円となっています。つまり上のケースだと月給160,000円は東京都の最低賃金を下回っていることになってしまいます。

最低賃金の対象となるもの

例えば月給が300,000円あるとします。そうすると最低賃金をクリアしていそうです。が、これは本当なのでしょうか。

厚生労働省のHPに最低賃金の対象となる賃金が掲載されています。

www.mhlw.go.jp

これによると、残業手当や通勤手当、家族手当などは含まれないとあります。また臨時的に払われる手当も除外するとあります。

私は定期的(毎月)に労働の対価として払われる賃金と認識しています。一般的に基本給と言われる部分かなと思っています。この辺は解釈による違いがあるかもしれません。

先ほどの月給が300,000円あるというケースであっても、残業手当や通勤手当など最低賃金の対象外となる賃金を差し引いたら150,000円でした、なんてことであれば最低賃金を下回っているなんてことにもなりかねません。

残業手当の時給

残業したときに支払われる割増手当も月給を時給に換算したものから求められます。

この時給に含まれる手当についても以下の手当を対象から除外することが出来ます。

  1. 家族手当
  2. 通勤手当
  3. 別居手当
  4. 子女教育手当
  5. 住宅手当
  6. 臨時に支払われた賃金
  7. 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

これらは割増手当の対象から除外することが出来る、逆に言えば含めてもいいわけです。割増手当の対象となる時給に含まれる額が大きければ、お給料を貰う側にとっては有利なのでOKなのです。


銀行口座に振り込まれる額だけを見ると分からないのですが、実は最低賃金を満たしていなかった、割増手当が少なかったなんてことがないとも言えません。1回くらいは給与明細を見て自分のお給料が適切な金額なのか計算してみるといいでしょうね。