非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

令和2年度の主な年末調整変更点について

そろそろお手元に保険会社から控除証明書が届いているのではないでしょうか。

これが来ると年末が近づいているんだなと感じます。

この証明書は年末調整で必要となるので無くさないようにしないといけません。

さて令和2年度の年末調整にもいくつかの変更点があります。その中で多くの人にとって関係のあるところを見てみましょう。

基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書

年末調整では昨年も3種類の申告書を出していました。

そのうちの「配偶者特別控除申告書」が「基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」という長い名前の申告書に変わります。

これは今年の改正で、基礎控除額の変更があったことと、所得金額調整控除という新しい控除が導入されたことによるものです。

配偶者特別控除申告書に、基礎控除と所得金額調整控除のことも含めて、1枚の申告書で記載しようということになっています。

正直言って、年末調整が更に複雑になってしまった感は否めませんし、申告書を書くのが面倒になってきています。

基礎控除の変更と所得金額調整控除について見ていきましょう。

基礎控除の変更

実は今年から基礎控除額が増えています。昨年までは38万円が一律に控除されていましたが、その控除額が48万円になります。

細かく言うと所得が2,400万円以下であれば48万円、それを超過するとその額に応じて控除額が減っていきます。

「これは減税ということか」と喜んだ方がいればごめんなさい。その分、給与所得控除額が10万円減っています。

給与所得以外の所得があるとか、条件によっては減税になる方もいるようですが、ほとんどの方は変わらない、ということになります。

ちなみに申告書には自分の今年の所得見込み額を書くことになります。これにより基礎控除額が決まるからです。

また自分の所得に応じて配偶者の控除額が変わってきます。この辺も申告書に書いていくことになりますが、制度を理解していない方にとってはなかなか難しい申告書となっていると思います。

所得金額調整控除

これは新しく導入される控除になります。

給与などの収入が850万円を超えている給与所得者であることが条件のひとつです。

これに加えて、本人が特別障害者である、23歳未満の扶養親族がいる、特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる、といういずれかの条件を満たしている場合に受けることができます。

控除額は850万円を超えた収入の10%となります。ただし上限は15万円となっています。

このことについても申告書に記載することになります。

特徴的なこととして、扶養控除とは異なり、必ずしも自分が扶養していない親族でも対象となるところにあります。

例えば、夫婦で収入があって扶養親族がいる場合、夫婦のどちらかが扶養控除を受けることが出来ます。逆に言えば、どちらも扶養控除を受けることは出来ないということです。

しかし、所得金額調整控除は夫婦どちらも850万円を超える収入があるなら、どちらも調整控除を受けることが出来るかもしれないというわけです。


多くの人にとっては、昨年と税額が変わらないのに、書く申告書か増えたということで面倒になるだけなのですが、収入が多い人にとっては制度の変更の影響を受けることとなります。

実際には何だか分からないけど、毎年紙を書かされる代わりに年末に少しお金をもらえる、くらいの認識だろうと思いますが、年末調整について知ると、税金について少し分かったような気がするものです。