モーサテで最近面白いなあと見ているコーナーに「大浜見聞録」があります。
時間は短いのですが、興味深い内容で、これでひとつ番組が作れるのでは?と思っています。
29日の放送では信用金庫を取り上げていました。
福島県でリサイクル製品を開発している会社があります。この会社では抗菌剤として貝殻を使っていたのですが、原発事故の風評被害で貝殻を使えなくなってしまうという事態に陥ってしまいました。
そんな話を耳にした地元の信用金庫が、信用金庫のネットワークを使って何とかならないかと声をかけたところ、銚子の信用金庫と繋がり、貝殻の処分に困っていた水産加工会社とマッチング出来たそうです。
これは一例でしょうが、お金を貸すだけではなく、事業者が抱える問題を解決する、経営の手助けをする、これこそが金融機関に求められる在り方なのではないだろうか、と思いました。
信用金庫とは
ところで信用金庫とは何なのでしょう?
全国信用金庫協会に信用金庫とは何か、について書いてあります。
www.shinkin.org
信用金庫も銀行も金融機関なのですが、組織としての在り方が違います。
まず銀行は「銀行法」、信用金庫は「信用金庫法」に基づいて運営されています。
銀行は株式会社です。株主のため、関係する人のために利益を上げなくてはなりません。
一方、信用金庫は非営利法人です。会員の出資によるものです。
営利法人である銀行は儲けなくてはなりません。そのためには利益にならない企業や人にお金を貸しはしないでしょう。
ただ、そういう金融機関ばかりでは大きい会社、大きい都市、力のあるものは富めるでしょうが、力のないものは泣くしかありません。
信用金庫法の第1条に目的があります。
この法律は、国民大衆のために金融の円滑を図り、その貯蓄の増強に資するため、協同組織による信用金庫の制度を確立し、金融業務の公共性にかんがみ、その監督の適正を期するとともに信用の維持と預金者等の保護に資することを目的とする。
小規模事業者や個人も相手にしてくれる金融機関なのです。
大手都市銀行や地方銀行が個人に冷たかったとしても仕方ないのです。事業目的が違うのです。まあ某地方銀行に随分ご立腹な方は、私の周りにもチラホラいますが(笑)。
信用金庫を利用するには以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
預金だけなら会員になる必要はありませんが、融資を受けたい場合は会員になる必要があります。
会員になるには信用金庫にもよりますが、1万円くらいの出資でよいようです。
面白いところとして、非営利法人ですから利益が出た場合、会員に配当金が出ます。
一見、いいことしかない信用金庫ですが、地域のための金融機関のため、地域外で同じ信用金庫を見つけることは出来ないでしょうし、ATMが少ないというデメリットもあるでしょう。
ただし、モーサテでもやっていたように組織は異なっても、信用金庫同士のネットワークがあることは大きい強みだと思います。
最近やっていたCMでも言っていましたが、全国の信用金庫のATMで手数料無料で利用することが出来るそうです。
セブン銀行のなどコンビニのATMも使えるようですが、こちらは手数料がかかるので注意が必要です。
金融機関としての目的や在り方を知ることで、銀行ばかりではなく、信用金庫もうまく利用出来るといいなあと思うところです。