非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

給与と賞与、どちらが得か

年収が同じでも、いくら給与が払われるか、賞与が払われるかによって、その内訳は変わってきます。

給与と賞与は自分の口座に振り込まれてしまうと違いはないものの、そもそもその性質は異なるものです。

給与というのは労働の対価として支払われるものです。ポイントは毎月決まって支払われるところにあります。

「賃金支払いの五原則」というものがあります。それは以下の通りです。

賃金については、労働基準法第24条において
(1)通貨で
(2)直接労働者に
(3)全額を
(4)毎月1回以上
(5)一定の期日を定めて
支払わなければならないと規定されています。

基本給とか固定給と言われるものは、毎月安定して支払われることになっています。給与というと一般的には「賃金支払いの五原則」に則って支払われているものです。

一方、賞与は企業の業績や労働者の評価によって支払われるもので、一般的にはボーナスと言われます。

こちらは業績が悪いので支払わない、評価が低いので支払額が下がるなどということもあります。

賞与自体は必ずしも払わなくてはいけないものではありません。ただ通常は会社の賃金規程等に賞与の支払いに関して記述があると思いますので、経営者の気分で安易に支払う/支払わないなどということは難しいかなと思います。

かなりざっくり言うと、給与は必ず払われる、賞与は必ず払われるとは限らないというものなので、従業員からすると給与の方がいいのかもしれません。

ただ賞与が出るのは楽しみというか、要はモチベーション向上につながるかと思います。

ローンの支払いにおいて「賞与払いはしない方がいい」というアドバイスがありますが、賞与の確実に支払われるとは限らないという性質があるからでしょう。

一方、雇用者の立場からすると、賞与の必ずしも払わなくてよいという性質はメリットとなるでしょう。

例えば年収500万円の人に、全額給与で支払うとなると、業績に関わらず500万円はらわなくてはいけません。しかし給与300万円、賞与200万円という内訳であった場合、業績が悪い場合には給与300万円だけしか払わないということも出来るでしょう。

以前、ある年の定期昇給をするかが中々決まらないという会社さんがありました。というのも業績不振で少しでも人件費を抑えたいという理由があったのです。

最終的にその会社さんは定期昇給に相当する額を賞与として払うことで組合と妥結しました。

賞与で払うことで従業員は当初の年収を確保出来る、会社は定期昇給しなかったことで翌年の人件費を抑えることが出来る、という点で歩み寄りをしたのでした。

所得税社会保険料にメリットはあるか

所得税の面では給与払いしても賞与払いしても税額は変わりません。

給与と賞与で所得税の計算方法は異なります。しかし年末調整においては給与か賞与に関係なく、1年間に支払われた金額に対して所得税が決まります。給与払いされた額も賞与払いされた額も、どちらも「給与所得」として扱われます。

社会保健の面でも、給与払いにしても賞与払いにしても社会保険料を徴収されます。徴収方法が異なるため一概にどちらがいいかは分からないのですが。

以前は賞与払いをすると社会保険料を徴収されなかったそうで、企業によっては負担となる社会保険料を抑えるために賞与額を多くしていたという話もあったようです。

ただし社会保健料には上限があります。これは給与払いであっても、賞与払いであっても上限があります。

収入が高い人は上限以上は社会保険料を徴収されないので、払い方によっては社会保険料を抑えられるかもしれません。実際に計算したことはありませんが、それほど大きな違いは出ないかと思います。