今日の為替相場は円安方向に大きく動いています。米ドル円は112円を超える場面も見せています。週の始めに109円台であったことを考えるとまさに急落です。
日経新聞によると米景気の底堅さ
と新型肺炎による経済への影響が限定的であるという見方からドル買いが進んだことによるものであるということです。
よく円は安全資産と呼ばれ、何か大きな問題が起きると円買いによる円高となる傾向があります。それが緩むとドルが買われるようになり円安になる傾向があります。
こういった状況は一喜一憂の感もありますが、取り敢えずここ数日は警戒感が弱まってきたということなのでしょう。
円安、円高
そもそもドル円が109円から112円に上昇したのに急落とはどういうことでしょう。円安とはどういうことでしょう。
急落と円安は同じ方向なので分かるかと思います。ただ金額が上がったのに安くなったとはどういうことでしょう。この辺が通貨の分かりにくいところですね。
米ドル円とは米ドルと円のペアなのですが、その金額は言ってみれば両者の比率とでも言ったところになります。
米ドル円なら「米ドル/円」つまり112円ならドル1に対して円112という比率になります。2つの通貨が並んで表記されたときに前の方にくる通貨1に対する比率ということになります。
ですから円米ドルとした場合、ドル円が112円なら1÷112=0.0089、つまり1円は0.0089ドルとなります。
米ドル円というのは米ドルを基準に決まっている金額なんですね。
では円を基準にして1ドル109円と112円を比較してみましょう。
1ドル112円ならば、1円は0.0089ドルです。1ドルが109円ならば1円は1÷109=0.0092ドルとなります。
1ドルが109円から112円になるということは1円が0.0092ドルから0.0089ドルになることでもあります。つまり円が下落しているんですね。
この通貨ペアの考え方は面白くて、例えばユーロドルという最も流通している通貨を見てみましょう。
ただいまのユーロドルが1.0814、ドル円が112.08、ユーロ円が121.22というレートです。
ドル円とユーロ円からユーロドルを作り出すにはユーロ円÷ドル円を求めるといいのです。
ユーロ/ドル=(ユーロ/円)÷(ドル/円)=(ユーロ/円)×(円/ドル)=121.88÷112.08=1.0815とまあ概ねユーロドルのレートと一致しました。分数の計算と同じ考え方です。
このようにレートをちょっと触ってみると何となく為替の仕組みが分かったような気になってしまいます(実際は大して何も分かっていないのでしょうが)。