非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

米長期金利の上昇と株価の下落と

26日の東京株式市場で、日経平均は前日比1202円安の2万8966円という大きな下落を見せました。

ここ最近グングン株価が上がり30000円を超えていた中での大きな下落には驚かされました。

1202円という下げ幅は2016年6月以来、4年8ヶ月ぶりとなる大きなものだったそうです。

この前日に米で長期金利が上昇し、株価が大きく下げたのを受けてのものと見られています。

長期金利は最終的に1.4%台に落ち着いたようですが、25日には1.6%を超える場面もあったようです。

日本でも26日に10年債が前日比で0.025%上昇の0.175%を付けていて、これは約5年1ヶ月ぶりのこととなるそうです。

現在の株価上昇については、超低金利と大型の金融緩和が前提となっていて、これが崩れるとそのシナリオが変わってくるという面があるようです。

長期金利が上がってくると当面続くと言われている金融緩和が弱まる、あるいは前倒して終了するという可能性を検討しないといけないのでしょう。

最近「テーパリング」という言葉をよく聞きます。これは量的緩和の縮小を指しています。テーパリングについては、近くにあるという人もいれば、ないという人もいて、要は何が正しいか分からないのでしょう。

金利が上昇してテーパリングとなれば、株価が上昇する条件が崩れる、そこで株を売ってしまおうということで急な株価下落が起きたというのは、あり得る話かもしれません。

ところで長期金利が上がる要因とは何でしょう。

ひとつは期待インフレ率の上昇です。世界的な動きでしょうが、金融緩和と新型コロナウイルスのワクチン接種で景気が上がるという期待感が大きいことを背景にしていると思います。

また、教科書的な話で言えば、国債の価格が下がると利回りは上がります。

例えば100円で1円の金利がつく債券があったとします。つまり金利は1%です。この債券の額面が50円に下がったとします。額面が下がるということは多くの人が、この債券を売ったということです。50円で買った債券で金利が1円つくとなると、金利は2%に上昇します。

事実、26日の債券市場では日本国債の売り注文が増えて、0.175%という金利に上昇しているようです。

また金融機関で保有している米国債が含み損を抱えているという話もあります。

期待インフレ率の上昇、債券価格の下落が長期金利を押し上げたものと思われます。

長期金利が急速に上がることで、金利が高いならより安全な金融商品である国債を買った方がいいと、株を売って国債を買うという人がいてもおかしくないでしょう。

長期金利が上がれば、株式に投資するメリットは薄れます。それで株を売るという人もいたかもしれません。

近頃の動きから、そろそろピークでは?と思って利益確定の売りをした人もいるでしょう。何しろ、これはバブルか否かという議論がよく聞かれるようになっていますから不安はあると思います。

色々な思惑があって、集結して大きな下落に繋がったのでしょう。

ところで1202円という下げ幅には驚かされますが、4年8ヶ月前と下げ幅の率で比較してみると、今回は約4%の下落に対して、前回は約8%の下落でした。これは日経平均株価の価格の違いで今は30000円台でのことだということは忘れてはいけません。単純な下げ幅で考えるのは違うとは思います。

それでも4%下げているのですが。。。

とにかくここ最近は長期金利がホットな話題だなと感じています。専門家によって話も違うので、何が正しいのかは分からないのですが、それは追って検証していくことになるのです。