16日、FRBはFOMCにおいてゼロ金利政策の解除方針を示しました。またテーパリングの議論を開始するかどうかについても明言は避けているものの、検討の可能性を匂わせたようです。
これまで慎重な発言を続けてきたパウエル議長が、いつ利上げやテーパリングについてコメントを出すのかというのが、ここ数ヶ月のポイントであったと感じてきましたが、まずは今回のFOMCであったといったところでしょうか。
ドットチャートでは前回のFOMCから、利上げのスタンスに変わった人が増えていて、利上げの流れに動いているということが見えて取れます。
市場では金利上昇や、テーパリングが前提で動いていて、あとはいつなのか?という点であったと思いますが、それでもFOMC後は長期金利の上昇や、株価、為替が大きく動き、それなりにインパクトがあったのではないでしょうか。
ドル円は110円台後半を付ける場面もありましたが、110円20銭台で週を終えています。ダウは週始めから下がっていて、最終的に1000ドルを超える下落の3万3290ドルで終わっています。
ワクチンの接種がアメリカでは進んでいること、経済の回復や雇用の回復もかなり良いことが今回の発表に影響していることでしょう。実質経済成長は非常に大きいものとなるという見通しのようですし、インフレも予想以上に長くなると見ているようです。
ただしインフレ率の加速は一時的なものと見ているようで、コロナ禍からの回復の部分と、そうではない部分の影響で今後の政策にも影響があるのではないでしょうか。
アメリカの株価が好調であることは、ここ数年のトレンドですが、これがいつまで続くのか、この辺が最も気になるところで、FRBの政策次第では流れが変わるかもしれないわけです。
パウエル議長の発言が慎重な裏には、かつてのFRBバーナンキ議長による発言が市場に大きく影響を及ぼしたことにあるとのことです。
しかし、FOMCの後いつも思うのですが、FOMCについてまとめてある記事やニュース、議長の発言を見ても、どうもポイントを掴むのが難しいですね。それだけにFOMCの後は様々な憶測や意見が飛び交うのでしょう。そこから読み取れるインパクトが大きいと市場に影響が出てしまうのですね。