前回のFOMCから、話題はもっぱらジャクソンホールとなっていました。
ジャクソンホールとは米国ワイオミング州にある地名で、カンザスシティ連銀が毎年8月に開催する経済政策に関するシンポジウム「ジャクソンホール会議」のことを指します。
この会議には世界中から中央銀行総裁、政治家、学者などが参加して、世界経済や金融政策について議論を交わす、という注目度の高いイベントです。
27日のジャクソンホールの注目は、FRBパウエル議長がテーパリングについて何とコメントするか、ここに尽きたことでしょう。
さてパウエル議長は講演の中で、テーパリングについて「7月のFOMCにおいて、年内に開始するのが妥当だと考えていた」と表明しました。
ちなみにテーパリングとは、量的金融緩和を段階的に縮小させていくことです。突然、おしまい!ということではありません。
インフレは進んでいる、雇用も回復している、条件は整いつつあり、テーパリングに向けて進めてもいいでしょう、ということでしょう。
重要な点だと思うのですが、量的緩和を縮小する、つまり米国債などの資産買い入れの縮小なのですが、これがすなわち金利上昇の話になるというわけではないという発言をしています。これは急激な金融引き締めをするのではないよというメッセージではないかと思われます。
パウエル議長の発言は概ね市場の予想通りだったのでしょう。27日のダウは240ドル超の上昇で終わりました。
またジャクソンホール後、最初の営業日となる東京市場でも日経平均株価は150円近く上昇となりました。金利上昇はすぐにはないということもあってでしょうか、東京市場にも特段影響はなかったということでしょう。
年内にあと3回FOMCがある中でテーパリングについて言及されることになるかと考えられます。9月はないのではないかと言われており、11月または12月の可能性が高いのかなという感じでしょう。