7月28日のFOMCで、FRBはゼロ金利政策と量的緩和政策の維持を決定しました。このスタンスはこれまでと変わらないものでしょう。
ここ最近の注目は、テーパリングはいつなのか?という点にあると思います。
テーパリング開始の目安のひとつに雇用状況がありますが、パウエル議長は雇用については通常より厳しい条件で見ているという話もあります。失業率4%という目安に対して、パウエル議長は3.5%という数字をあげているとか。
今回の会合後の会見で「今後複数の会合で経済の進展を確認する」として、テーパリング開始に向けたコメントを出しています。
テーパリング開始の時期は明確にしていません。また今後のデータ次第で変わるという点を強調しています。年内に9月、11月、12月と3回FOMCがあります。「複数の会合」としているので、少なくとも9月ということはないのでしょうか。それでも年内に議論が始まるという可能性があるのかもしれません。
ちなみに「今後複数の会合で」といったところは「coming meetings」という表現だったそうです。こういった細かい表現から様々な思惑を読み取っていかないといけない金融関係者の皆さんは大変だなあと感じます。
米景気はコロナ前を回復していると言われています。またコロナによる景気後退も異例と言っていいでしょうが2020年4月を底に2ヶ月で終わったと言われています。
経済の回復はピークを過ぎたという声もありますが、一時的とは言われながらインフレが進んでいます。そんな中でテーパリング開始によるリスクは当然懸念されていて、慎重な発言が繰り返されているのでしょう。
コロナに関してはワクチン接種が進んでいるものの、デルタ株の感染拡大が広がっていて、これがどう影響するかも気になるところかと思います。
8/23追記
18日、FRBが7月のFOMC議事要旨を公開しました。
それによると、ほとんどの参加者が今年中に購入額の減額を始めることが適当、と年内のテーパリング開始について判断したようです。
一部参加者は2022年初めが適当としているようですが、ここ数ヶ月の間にはテーパリングが開始される可能性はあると思っておいていいでしょう。