非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

みずほ証券によるIPOの公開価格の決め方の何がいけなかったのか?

13日に公正取引委員会は、みずほ証券に対してIPOにおける公開価格の決め方に問題があるとして注意をしました。

IPOとは新規公開株式というもので、未上場会社が新規に株式を公開し、一般の投資家に向けて売り出すことを言います。今まで買えなかった株が私達一般の人達も取引出来るようになるわけです。

IPOでは、上場する企業が主幹事証券会社に依頼します。依頼された主幹事証券会社は公開価格を決定し、事前に投資家に販売します。

この公開価格が本来より低く設定されていたのではないかということ、またその価格が立場の強い主幹事証券会社による優越的地位の乱用にあたるのではないかとの判断のようです。

みずほ証券会社20年6月から21年5月までに主幹事を務めたIPO21件のうち2社については、その企業が主張する価格を下回っていたそうです。その2社は上場後の初値が公開価格の2倍以上になったとのことです。

そもそも理論株価を求めるのは難しいことだと思います。それが妥当であるかどうかとなると尚更でしょう。まして公開情報の少ない新興企業となると更に難しくなるかと思います。

とは言え、上場する企業からすると初値が妥当な価格であったとするなら、調達出来たはずの資金の半分以下しか手に入らなかった、もしかすると大きな機会損失になってしまったのかもしれないわけです。

ただし、みずほ証券に明確な違反行為があったものではないことと、社内での改善取り組みがなされていることから、注意としたようです。

IPOの公開価格の問題については、みずほ証券に限った問題ではないようで、業界への牽制の意味もあるのではないかと見られています。

なぜ公開価格を低くするかというと、資金を調達したい企業に対してではなく、株式を購入したい投資家へのアピールではないかと思います。

IPOで購入した株式が上場後初値で2倍、3倍となれば一気に儲かるわけです。実際IPOで買い付け、初値、あるいは上場初日に売り抜くことを目的としている方も結構いるのではないでしょうか。

買えばかなりの確率で儲かるというのもあるのでしょう(最近はどうか分かりませんが以前はかなり儲かっていたと聞きます)、購入出来るかどうかは抽選に当たらないといけないわけです。

例えば、みずほのIPOだとすごく儲かるんだよね、という評判が立つのであれば、主幹事証券会社にとっては公開価格を下げるに十分な理由となるでしょう。

でもこれは資金調達を目的に上場をすることを決めた企業の方を向いてはいないですね。

IPO銘柄を見ると、上場初日に株価が急騰するものの、その後急落し、初日が上場来最高値という状況がずっと続いているなんてことはありがちです。

IPOで安く買った人たちが、利益確定のためさっさと売り抜けてしまったのかなと思わせる値動きですね。