非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

かんぽ生命は何をしたのか?

かんぽ生命が不適切な販売をしていたということで問題になっています。

一体、何が問題になっているのでしょうか?

転換と乗り換え

問題を理解するために「転換」と「乗り換え」について分かっておくと良いでしょう。

保険商品を契約しました。その後、更に良い商品が出ました。

こんな時、やはりより良い保険商品にお金を払いたいものです。

元々契約していた商品を別の商品に切り替えることを「転換」といいます。

かんぽ生命では、この「転換」という制度がないそうで、保険を切り替えたい場合は、今契約している保険を解約し、新たに別の保険を契約することになります。こういう切り替えを「乗り換え」といいます。

2つの問題

この乗り換えの際に問題が発生していました。

1つは乗り換えが出来なかったということ、もう1つは新旧の乗り換えにおいて一時期保険料の二重徴収があったということです。

まず乗り換えが出来なかったという問題について見てみましょう。

健康状況や年齢、生活習慣など様々な点から、保険を契約出来なかったなんて話を聞くことがあります。

乗り換えにあたり、元々の保険を解約し、新たに保険を契約しようとしたところ、契約が出来ず、保険に入っていないという状況に陥った方が多数出たというのです。

乗り換え前に、果たして新しい保険に入ることが出来ないリスクがあることを事前に通知していたのか?これが問題になってきます。

新旧保険が二重徴収されていた、というのは分かりにくい問題です。何でも半年以上に渡り、二重徴収されていたということだそうです。

ここで、かんぽ生命の乗り換えの仕組みを見てみましょう。

乗り換えと見なされるのは、新しい保険を契約してから6ヶ月以内に元々の保険を解約されたケースを指すようです。乗り換えとなった場合、販売員に支払われる手当や営業成績が新規に契約を取った場合の半分となるのだそうです。

そうです、旧契約を6ヶ月以内に解約されると、販売員のメリットが減るのでダラダラと旧契約を引き伸ばしさせていたのです。

ところで、かんぽ生命では契約後2年経過してから乗り換えをするケースが多かったそうです。これは新規契約を取ってから2年以内に解約された場合、販売員は手当てを一部会社に返還しなくてはならないルールがあったからだと言われています。

これらは今回大きく取り上げられた件ですが、他にも様々なトラブルがあるようで、氷山の一角ではないでしょうか。

何というか、会社の中を見ているだけ、自分の都合を考えているだけで、顧客の顔は全く見ていませんね。

保険に入るというのは、とても大きなことだと思うのです。人生の一部に関わると言っても過言ではないでしょう。

この人たちは自分たちが売っているものがどういうものなのか、買っている人たちがどういう思いでいるのか、なんてことは考えないのでしょうね。

今後の展開を待ちたいです。