マイナス金利のコマーシャルペーパー(CP)を発行する企業が増えているそうです。
CPとは「企業が短期資金調達のために、公開市場で発行する無担保の約束手形」を言います。企業の資金調達には社債がありますが、社債は償還期限が1年以上、CPは1年未満というのが一般的です。無担保での資金調達ですから、ある程度信用度の高い企業であることが求められます。
短い償還期限でどういう目的で資金を調達するかというと、従業員の賞与、税金の支払いといったケースが多いようです。
マイナス金利と言うことは、お金を借りて利息をもらうという何とも夢のような話なのです。
キリンHDや三越伊勢丹といった名だたる企業が発行しているようで、その金利はマイナス0.01から0.0001パーセントといったところのようです。
例えば我々が社債を買うとしたら目的は利息です(債券価額の上昇を期待することもあるかもしれませんが)。あえてお金を払って(貸して)利息を払うような受け手がいるのでしょうか?
もちろんいるから成り立つわけですね。そのためには日銀と銀行の関係を理解する必要があります。
各銀行は日銀に当座預金としてお金を預けています。これは日銀のHPによると
となっています。ご存知の通りマイナス金利になっていますから当座預金にお金を入れていると利息を取られます。
さてCPの話に戻りますが、CPにマイナス金利が付いていても、日銀の金利よりは小さいので、日銀に預けているよりCPを持っている方が損が少ない、マシであるということなのです。
また公開市場操作の一環で、日銀はCPを買っているので、日銀に売ることで利ザヤを得ようという投資家の動きもあるようです。
なんとも不思議な話ではあるのですが、今後もマイナス金利のCP発行は増えるのではないかという見方もあるようです。