非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

コロナ禍で注目される実効再生産数とは何か?

2021年に入ってから1都3県に緊急事態宣言が、続いて大阪、京都、兵庫、さらに愛知県、岐阜県、福岡県、栃木県でも発令されました。

これまで東京都市圏の感染者数に注目がいっていて、栃木が深刻な状況にあるというのは全く認識がなかったというか、意識がなかったのが正直なところです。

分かっていながら見落としてしまうところですが、単純な量ではなく、何らかの指標(例えば感染率)をもって考えないといけないなあと改めて思ったところです。

東京の感染者数が多いといいますが、エリアによってはそうではないところもあるでしょう。更に絞り込んで見てみると、また違った見え方があることと思います。

緊急事態宣言が出た地域の実効再生産数

NHKでニュースを見ていたら「実効再生産数」という値が出てきました。

これは1を上回ると感染拡大に向かうとされる値だそうです。

ニュースで扱っていた値は簡易的に求められたものだそうですが、1月14日時点の値によると、緊急事態宣言が出た都府県は全て「実効再生産数」が1を超えていたそうです。

値が大きいほど感染拡大に向かっているということになるのですが、14日の時点では東京が1.21、千葉1.42、神奈川1.45となっていました。

つまり東京よりも千葉や神奈川の方が深刻であると言えます。

また栃木は1.20と東京と同レベルにあり、東京に緊急事態宣言が出ているのであれば、栃木が要請しても不思議ではないということになるでしょう。

基本再生産数とは何か?

基本再生産数という値があります。

これは「誰も感染者がいない集団に、1人の感染者が入った場合に、平均して何人が感染するか」を表すものです。

基本再生産数が1なら、1人が1人に感染させることになります。

これが2なら1人が2人に感染させます。次に感染した2人がそれぞれ2人に感染させますから、感染者は4人になります。4人はそれぞれ2人に感染させますから8人に、次に16人、32人、64人・・・と感染が大きく拡大していくことになります。

これが1より小さいなら、徐々に感染者は減っていくということになります。0.5なら1人が0.5人に、1人が0.25人に、1人が0.125人に・・・と感染が縮小していきます。

これだと訳が分からないですね。1000人が500人に、500人が125人に、125人が16人に、といった具合で減っていくのです。

実効再生産数とは何か?

基本再生産数は「誰も感染者がいない集団」における話でした。

実効再生産数は「既に感染者が広がっている状況で、1人の感染者が平均何人に感染させるか」ということを示す値です。前提条件が基本再生産数とは異なるのですね。

2020年4月7日に実効再生産数は2.37でした。これが緊急事態宣言が出て、外出自粛などの対策がなされた結果、4月後半には1を下回ったのだそうです。

対策の効果がいかほどか、こうやって数字でみるとよく分かります。

現在、緊急事態宣言が出ているものの、昨年のような緊迫感は感じられません。コロナ慣れなどという言葉も出ているくらいです。

実効再生産数を下げるためにも、1人ひとりの意識が大切だと思うのですが。。。