知人が銀行からもらってきたチラシを見せてくれました。
「給与振込口座としてくれた場合、定期預金の金利を0.1%にします」というキャンペーンのお知らせでした。
ネット銀行の定期預金金利でも0.02%なんて時代ですから、破格の金利です。
さて、そんな金利のチラシですが、脇に小さく「利息については復興特別所得税が課され、20.315%(国税15.315%、地方税5%)の税金がかかります」と書いてありました。
これってどういうこと?と聞かれ「そういえば利子にも税金がかかるんですよ」という話になったのでした。
利子所得
所得税の対象となる「所得」と呼ばれるものは10種類存在します。
その中に利子所得というものがあります。
所得税法23条に記載があります。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/04/01.htm
色々あるんですが、銀行預金の利子は利子所得となります。
所得により税率が異なるのですが、利子所得は銀行のチラシにあったように、全部で20.315%となります。
例えば、先ほどの金利0.1%の銀行に100万円預けたとします。その場合、利息が1,000円つきます。そのうち20.315%が税金となりますから、手元に残るのは797円ほどとなります。
実際の金利はもっと低いので、ささやかな利息から税金が引かれていても、気付いていなかったというだけなんですね。
銀行のメリットは?
ところで、給与振込口座にすれば、通常の10倍以上にもなる金利を付けてくれるのって不思議だなあと思いました。
いったい銀行にどんなメリットがあるのかなあ?と思って調べてみたのですが、残念ながら明確な理由は分かりませんでした。
前に新聞で読んだのですが、給与振込口座にすると、利用者は振込先を頻繁には変更しない。そういう利用者は長期的な顧客として取り込むことができる。将来的には資産運用や住宅ローンの貸付に持って行くことを期待している、といった内容だったと思います。
長期に渡って給与が振り込まれている人であれば、信頼できる顧客であるというのもあるでしょう。
見ていた銀行のチラシですが、更によく見ると「特別金利が適用になるのは当初の預入期間のみであり、満期日以後は自動継続時の店頭表示金利となります」と書いてありました。
これは1年満期の定期預金の話なのですが、最初の1年は0.1%の金利が付きますが、翌年以降継続する場合は、その時点の金利となりますよ、ということです。
永続的に金利が0.1%ではないのです。2年目以降の金利が一気に下がって窓口に怒りに行く人がいるかもしれませんね。
世の中そんなにいい話はないということで、お得感のある話には理由があるのです。
小さい文字で書いてあるただし書きはしっかり読まないといけません、という話です。