本日、米ドル円のレートは一時105円台に上昇し、また日経平均は500円超の下落を見せました。
最終的には366円安で終了しています。
急速な円高、株安に政府・日銀が緊急会合を開いたようです。
米中の経済摩擦、世界経済の減速懸念、米国の追加利下げ観測などにより、投資家の資金が安全資産に向かっているとのことです。
安全資産に向かうと円高に振れる、つまり円は安全資産として評価されています。これはよく聞く話なんですが、なぜ円が安全資産なんだろう?と不思議に感じるところです。
安全資産というのに当てはまるかは分かりませんが、情勢が不安定になると円高になることについて、次の2点がもっともらしいなと思っています。
円が低金利であるから
円の金利は極めて低いです。一方で他の通貨は円に比べると金利が高いです。
FXをやったことがある人はピンとくると思いますが、円を売って他の通貨を買えばスワップ金利が付き、チャリンチャリンとお金が増えていきます。
円を売って高金利通貨を買うことを円キャリートレードと言いますが、通常だと円キャリートレードになる傾向にあります。黙っていても金利が付きますから。
これが景気不安定になるとポジションを解消する流れになります。すると高金利通貨を売って円を買うという流れになります。これが大量に行われるため円高になるというわけです。
日本の対外純資産は世界最大だから
日本の企業、個人、政府などが保有する対外純資産額は世界最大なのだそうです。
もし景気不安定になると海外に持つ資産を売却してポジションを解消したくなります。その場合、最終的に外貨を円に換えることになります。
世界最大の資産が日本に帰ってきて円に換えられることにより円高になるというわけです。
円は先週末から急速に円高に向かっていますし、株価も動きが荒くなっているようです。世界的な景気減速に振れていくのか、ここで踏みとどまるのか、転換期に入ってきているのかもしれません。