非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

配当基準日変更の可能性と混乱

昨日、SNSを見ていると配当基準日に関する情報が入ってきました。

日本では3月決算の企業が多いことから、今の時期は配当や株主優待狙いの投資家が動きを見せる時期です。

配当を受け取るには配当基準日にその株式を保有していなくてはいけません。実はその日に株式を持っていれば、他の日に持っていなくても配当を受け取ることが出来るのです。

しかし実際に株主と認められるのは株式購入後2営業日を必要とします。

例えば今年であれば、3月31日が配当基準日である場合、2営業日前の3月27日までに購入しておく必要があります。ちなみに配当基準日の2営業日前のことを権利付き最終日と言います。

権利付き最終日の翌営業日を権利落ち日と言います。この日は配当基準日の前ではあるのですが、この日に株式を売っても配当を受け取ることが出来ます。

では権利付き最終日に買って、権利落ち日に売れば、低リスクで配当だけ受け取れるじゃないか、と考える人もいることでしょう。

というか多くの人がそう考えるので、権利付き最終日に向かって株価が上がり、配当落ち日には株価が下がるということになってしまいます。

とは言いつつ、ものはやりようで、このタイミングをうまく利用して儲けている人がいるのです。

そんなわけで権利付き最終日が近く、特に多くの企業が決算を迎える今の時期は配当狙いの投資家にとってはホットな時期なのです。

ところで、会社法では、配当基準日時点での株式保有者に配当や議決権を与えています。その権利は配当基準日から3ヶ月以内であると定めています。

そこで株主総会は年度末から3ヶ月以内に開くのが一般的で、3月決算だと6月くらいに開くことになります。

しかし新型コロナウイルスの影響で、決算をまとめ上げられないなどの問題を抱えている企業も多くあります。

そんな中、法務省が通常時気に総会を開催することが困難である場合、新型コロナウイルスが収束してから開催すれば問題ないという見解を示しました。これは3月末を配当基準日にしていた企業が、その時期を先送りする可能性を示唆しています。

それに伴い昨日24日に、東京証券取引所が3月決算企業の配当基準日が変わる可能性があるよ、と注意喚起をしたことから混乱となってしまったというわけです。

つまり配当狙い、あるいは優待狙いで株を購入した人が、配当を受け取る時期が遅れる、減配される可能性が出てきます。あるいは期末を過ぎても権利を得ることが出来ない可能性もあるということです。想定していたシナリオが崩れてしまっているんですね。

こういう状況ですからやむを得ない部分もあるのでしょうが。

ただ、その注意喚起をもっと早く出してくれよという不満が出ているのでした。