非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

目的と手段をごちゃ混ぜにするとろくなことにならない

ここ最近で俄然注目を集めているのがテレワークでしょう。

在宅勤務というやつですが、これが中々に導入するのが難しかったりします。

最大の課題はセキュリティの問題でしょう。特に個人情報を扱っている企業にとって、もし在宅勤務をしたことで情報流出につながっては大変なことになります。様々なサービスやソフトなどが提供されています。しかしその中から自社に適切なものはどれか探し出すことは容易ではありません。

どのように仕事を評価するのかも大きな課題となるでしょう。

ニュースでもやっていましたが、パソコンについているカメラを使って、そこに映っていれば仕事中、映っていなければ離席中、あるいは業務外とされるようなシステムがあるそうです。

業務によるかもしれませんが、ずっとパソコンの前に座っていれば仕事が成り立つかというとそうでもないでしょう。またトイレに行ったり、あるいは自宅にいますから来客ということもあるでしょう。それをさぼっていると捉えられては困るところです。

テレワークを始めたことで監視されているようでやりにくいという声もあるようですし、想像に難くないでしょう。

テレワークをするとなると、各人の仕事の評価の仕方も変わってくるでしょう。これまでのように決まった時間、席にいれば評価されるという働き方から、実績重視とされるでしょう。極端な話ですが1日8時間勤務の中で、1時間で1の仕事をしてあとは何もしない人と、8時間で1の仕事をした人は同じ評価となるということです。

テレワークをしましょうという呼びかけはあるものの、それを導入するには技術的にも制度的にも簡単に始められるものではなかったりするのが現実です。

そんなわけでテレワークを始められない、だから出社しなさい、そういう会社は案外多いのではないでしょうか。

・・・ところで何故テレワークが推奨されているのでしょう。

今、我々に求められているのは極力、外出を控えましょう、人との接触を減らしましょう、ということです。もちろん新型コロナウイルス感染を防ぐためです。

3密という言葉が定着してきましたが、全員が会社に出社するのは3密のうちいくつかを満たすことになるでしょう。

新型コロナウイルスの感染を防ぐ」これが目的になります。

その目的を達成するために「外出を控えましょう」「人との接触を減らしましょう」という要請が出ています。

これを実現するための手段のひとつがテレワークです。

なのにテレワークをするということが目的になってしまっていないでしょうか。

テレワーク実現に時間がかかるなら、休業する、交代で休みを取らせる、あるいはシフト制にするなどして、まずは一度に出社する人を減らすべきでしょう。そしてテレワークが出来る状態になったら導入すればいいのです。

コロナが終息(いつそういう日が来るのかは全く分かりませんが)した頃になってようやくテレワークが導入出来るようになって、では出社する人を減らしましょう、なんてことになっても、それでは意味がないのです。

テレワークの話に関わらずなのですが、議論しているうちに目的と手段がごちゃ混ぜになってしまい、本来の目的が達成出来ないということは案外多いように思います(私の周りでもそういうことが多くてイライラさせられるのです)。

議論をしていると脱線することは多々あることです。参加者が同じ目的意識を持って議論すること、またきちんと軌道修正を出来る人が場を仕切ることが大事だと思うのですが、うまくいかないものです。こういう緊急事態でもそうなのですから、平時では尚更でしょうかね。