非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

雇用調整助成金の拡充

4月25日に加藤厚生労働大臣から雇用調整助成金の拡充をするという発表がありました。

拡充の内容は厚生労働省のHPにも記載されています。

www.mhlw.go.jp

まず拡充前の雇用調整助成金について見てみましょう。ここでは中小企業を対象に考えます。

従業員を解雇せずに各種条件を満たした上で休業手当を支給すると90%を国が補助、残り10%を会社が負担することになります。

例えば平均給与額10000円の人に60%の休業手当を補償するという場合、6000円が被雇用者に支払われるのですが、そのうち10%つまり600円を会社が負担し、残り5400円を国が補償することになります。

ちなみに平均給与額10000円のケースで満額を休業手当として支払う場合、国は90%なので9000円となるのですが、国からの助成金の上限が8330円と決まっているので、9000円の助成金とはなりません。

さてここで拡充措置1です。それは雇用を維持しつつ、休業手当として平均給与額の60%を超えた額を支払う場合、60%までは現行通り90%を国が補助、60%を超えた部分は100%国が補助するというものです。

またまた平均給与額10000円で考えてみましょう。休業手当として80%相当、8000円を払うとします。その場合、60%までは国が90%の補助、会社が10%負担となりますから、国が5400円、会社が600円となります。そして60%を超えた残りの2000円については国が全て補助します。つまりこのケースでは国が7400円の補助、会社が600円の負担となるわけです。

満額で考えると60%を超えた4000円を国が全額補助してくれるので合計9400円となります。しかし現行である8330円の上限はあって、つまり国が補助してくれるのは8330円までとなります。

この上限については保険財政の状況から変更が難しいとのことで、今のところ変わらない予定とのことです。

次に拡充措置2です。これは今回の新型コロナウイルス対策で各自治体から休業または営業時間短縮要請が出ている事業者のうち、その要請に応じて休業した事業者であることが条件となります。

さらに①休業手当として100%支給していること、②上限8330円以上の休業手当を支給していること、このいずれかの条件を満たしている場合、休業手当の助成率を100%に引き上げるというものです。こちらも上限が8330円というのがあるようです。

これらは中小企業が対象のようで、現行の目的が雇用維持にあるのですが、現況を見て失業者を抑制することから急ピッチで決定しているように見受けられます。対象も元々の議論より拡大しているようです。

雇用調整助成金については、申請から支給までにかかる期間が1ヶ月くらいかかっているのだそうです。また手続きが煩雑であるという問題もあるそうです。

日経電子版によると、それを解消するためにオンラインでの申請を5月から始められるように進めているということです。それにより支給までにかかる期間を2週間にするそうです。

この件については、今後さらに変更が出る可能性があります。雇用を維持するというのは企業にとって大事なことと思います。必要とする事業者さんは、関係箇所に相談をするなどして適切に制度を利用するべきかと考えます。