非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

新日本プロレスで宇和島大会を中止にしたことについて考える

昨日、13日に予定されていた愛媛・宇和島市総合体育館大会が急遽中止になったというニュースがありました。

急遽というのも第1試合が開始となる18時の直前でのアナウンス、お客さんも入っている中でのことだったそうです。

理由は出場予定選手の1人に発熱があったということでした。新型コロナウイルス感染のリスクを見越してのことであったことは言うまでもありません。

当該選手が発熱の症状を訴えたのが15時過ぎということで、それから3時間に満たない時間での決断であったわけです。

当該選手はもっと早くに体調不良に気付いていたのでは?お客さんを入れて開始時間ギリギリになって中止を発表するとは判断が遅いのでは?などの批判もあるようですが、概ねその判断は高く評価されているように見受けられます。私も非常に難しい判断だったことと思いますが、よく決断したなと思っています。

この大会、実行しても中止しても、どちらにしてもリスクがあるというのが非常に判断を難しくしています。

当該選手が陽性であるかどうかわかりません。仮に陽性だったとして大会を実行したからといって他選手やスタッフ、お客さんに感染するとは限りません。あるいはリスクを避けて当該選手の出場は見送れば実行できたかもしれません。

しかし昨今の感染の広がりを見るに、そのリスクを軽視することは出来ませんし、感染すればクラスターとなる可能性は十分に考えられます。選手、スタッフ、お客さん、関わる人達をリスクにさらすことになるでしょう。

また副次的なのかどうか、企業としての社会的な損失、プロレスというジャンルのイメージを貶めるなどマイナス面が多々出てきます。

一方、中止した場合、金銭的な損失が大きいわけです。選手は現地に移動している、会場を使っている、お客さんを入れている、既にコストがかかっています。

中止となればお客さんが払ったチケット代の返金が発生します。コストがかかった上、売り上げがないのですからマイナスです。それがどれほどの損失かは分かりませんが頭の痛い問題でしょう。

これがまだ前日ならましだったかもしれません。しかし既にお客さんは入っています。近隣から来た人もいるでしょうが、遠くから来てくれた人もいることでしょう。特に地方遠征となると回数が少ないですから心待ちにしているお客さんも多くて、そういった人たちの期待に応えられないどころか、ガッカリして帰ってもらわなくてはいけない状況です。ファンが離れてしまうリスクも当然あります。評判が落ちてしまうことも想定しなくてはいけないところです。

実行するにも中止にするにもリスクがある中で、新日本プロレスは中止という決断、つまりお金や評判より、人命を安全を採ったということです。

言葉にすれば当たり前のことなのでしょうが、大きな企業、多くの人が関わる事となるとその判断は容易ではないと思います。

この宇和島大会は700人超のお客さんが集まっていたとのことですが、規模としては比較的小さい大会であったと思います。これが1万人を超えるお客さんが集まるドーム大会であったとして同じ決断が出来るかなど状況にもよるでしょうから一概に善し悪しを言える話ではないと思います。他のスポーツにも言えることですが、非常に難しい中で運営していかなくてはならないのだなというのが現状ですね。

この話では新日本プロレスの決断が高く評価されていますが、宇和島のファンが素晴らしかったと思います。

試合開始直前に中止がアナウンスされたわけで罵詈雑言が飛び交ってもおかしくない状況(笑)であったことでしょう。実際、笑い事ではなくそうなのかもしれません。そういう覚悟も会ったと思います。しかしアナウンスがあった後、会場では新日本プロレスの判断を尊重して拍手が起こったのだそうです。そして皆さん粛々と家路についたとか。

宇和島のファンの皆さん、最高です。

さて当該選手ですが、PCR検査の結果、陰性であったとの発表がありました。本当に良かったと思います。