非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え

「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」という本を読みました。

すごくザックリと言ってしまうならば「VTSAXを保有して、ずっと持ち続けましょう」といった内容です。

VTSAXとはバンガードのトータル・ストック・マーケット・インデックスファンドというファンドのことを指します。

バンガードとは元祖インデックスファンドとでもいうか、インデックスファンドの生みの親と言っていいでしょう、アメリカのバンガード社のことです。

インデックスファンドを長期保有することをお勧めしている本となります。インデックスファンドに投資することを記した書籍は数多くありますが、気付きの多い大変よい本でした。

読みやすく、分かりやすい例えもあったりで初心者向けにも思えますが、ある程度の知識を得てから読むとより良いかと思います。

著者はバンガードを強く推しています。それは商品として良いこと、手数料が安いことなど様々な理由があります。何と言っても40年以上前にインデックス投資を世に広め、未だに最前線にいるバンガードへの信頼というものがあるのでしょう。

VTSAXの信託報酬は0.03%という凄い数字です。日本国内でもバンガードの商品を買えますが、ここまで信託報酬が安い商品はありません。

インデックスファンドはその性質上、誰が運用しても同じ結果になるはずなので、そうなるとコストが成績に大きく影響してくるわけです。

さて、この本でいくつか得た気付きについて書いてみたいと思います。

序盤に「経済的自立」とは何かについてありました。そこには「選択肢を持っていること、何かあればノーと言えること」とあります。

嫌な仕事を我慢して続けるとか、断りたいことでも断れない、なんてことは日常的にあることでしょう。これは職を失う、つまりお金を得る術を失う、ということが原因である、そんなケースは多いことと思います。

お金を得るために仕事をしているのですが、それでもお金に自分の行動や考えが縛られるのは嫌なものです。

こういうお金に縛られない生き方をすることが「経済的自立」であると解釈しました。簡単な表現でしたが、思っていたことを言い表してもらっった気がして、すっかり本書に引き込まれたのでした。

もうひとつ、4%ルールという概念に気付きをもらいました。

「投資額の4%で1年を暮らせれば、経済的に自立していると言える」とあります。

これは本書において大事な考え方であったと思います。

ある研究によると、株式と債券を50%ずつにしたポートフォリオで毎年4%だけを引き出した場合、30年後にそのポートフォリオは目減りしていない確率が極めて高いというのです。その確率は96%に上るとか。

ポートフォリオの4%の額で1年間生活した場合、目減りした分は資産の上昇で補われ、減ることなく維持できるということになります。

例えば、1億円の金融資産を持っている人が5000万円ずつ株式、債券に振り分けていた場合、1年間に400万円使うことが出来て、翌年には1億円に戻っているということになります。

1億円というと随分大きな話になりますが、例えば2500万円の資産があれば年間100万円引き出すことが出来るということです。普通に仕事をして収入がある中で、追加で100万円使えるというのは中々に大きいのではないでしょうか。

もちろん、そんなにうまくいくのか?と疑問に思うところもあります。どんなポートフォリオを組むのか、そもそもアメリカの話であって、日本でも同じようにやれるのか、など検証は必要でしょう。

それでも資産の4%であれば、引き出しても資産が目減りしないという考えは、どのくらい投資すれば‘いいのか、という目標になります。

どんな行動でも目標があると、その達成に向けて頑張れるものです。この考えは今後投資をしていく上での大きな指針になるなと感じています。

最後に、この本ではドルコスト平均法をあまり薦めていません。市場は上昇することが前提であり、確率が高いからであり、一度にまとめて投資した方が良いとしています。ドルコスト平均法は下がることが前提であるということです。

長いこと不況下にある我々日本人にとっては、中々受け入れ難い考え方に思えます。この辺はひとそれぞれのリスク耐性にもよるのかな?と思っています。

全体的にアメリカ市場をベースとした本であり、必ずしも日本でうまくいくのかは分かりません(そもそも投資なんて必ずうまくいくかは誰にも分からないのですが)。

ただ学ぶべきことは多く、読む価値ある一冊と思います。インデックス投資に興味ある人には是非一読してもらいたいです。