投資関連の本を読んでいると「投資」と「投機」という言葉についてよく議論されています。
「テクニカル派」か「ファンダメンタル派」かというくらいの議論かもしれません。
例えばデイトレーダーは投機をしていると言われるでしょう。長期運用をしている人は投資をしていると言われるでしょう。最近だと仮想通過を売買している人は投機をしていると言われるでしょう。
何となく「投機」というとギャンブルのような運用をしている人を指しているように受け取れます。
いやいや仮想通過をキチンと論理立ててトレードしていて、着実に資産を増やしているから仮想通過トレードは投資だという人もいることでしょう。
辞書的な意味は?
そもそも英語だと「投資」は「Ivestment」、「投機」は「Speculation」といいます。日本語にすると似たような言葉なので混同しますが、英語では全く別の言葉です。
Cambridge Dictionaryで意味を調べてみました。
Investment
the act of putting money, effort, time, etc. into something to make a profit or get an advantage, or the money, effort, time, etc. used to do this:
Speculation
the act of buying something hoping that its value will increase and then selling at this higher price in order to make a profit:
「投資」は「何らかの利益やメリット、お金などを得るためにお金や労力、時間などを投入すること」くらいの意味でしょうか。
「投機」は「価値が上がって高値で売ることが出来ることを期待して買う行為」というようなことが書いてあるでしょう。どうやら「Speculation」には「推測」といった感じの意味があるようで、ハッキリしないことに対する行為を指しているのかなと思います。そういう意味ではギャンブル的な意味で捉えられるのも間違ってはいないでしょう。
私の中での定義
内藤忍さんという有名な方がいらっしゃいます。恐らくこの方が書籍で書いていたことが私の中で「投資」と「投機」の定義付けとなっています。
「投資」とは「価値が増えていくもの、成長するものにお金を投じること、またはお金を投じることで成長を促すこと」。
例えば応援したい企業の株を購入します。その企業が業績を上げると企業価値が上がります。すると株価が上がります。業績が上がり売上が上がると納税額が上がって国の収入が増えます。この場合、投資家、企業、国家、全てがメリットを受けることになります。そんな壮大な話ではないでしょうが。
「投機」は「限られた価値を取り合うこと」。
よくゼロサムゲームと言われますが、トレードで利益を上げると、その分誰かが損をしている状態です。つまり限られたパイを参加者で分け合っている状態です。トレードの結果、パイの総量が増えるのではなく変わらないのです。
正確にどのような記述がされていたか覚えていませんが、大まかにはこんな感じで定義しています。
要は投資をするとみんなが幸せになるけど、投機は誰かが幸せになるけど誰かが不幸にあるものであるということです。
言葉の定義なんてどうでもいいのかもしれません。でも自分がやっていることがどういうことなのか知っておいてもいいのではないでしょうか。
ところで先ほど名前を挙げさせてもらった内藤忍さんですが、かつてマネックス証券にいらっしゃって、その頃に参加したセミナーや書籍に影響を受けて、私は積立投資を始めました。ですので私にとっては大変に有り難い方なのです。