非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

深夜労働と割増賃金について考える

仕事をしている方だと、深夜勤務をすると賃金が割増になる、ということを知っている方は多いことと思います。

いや、みなさん知っていることでしょう。

しかし知ってはいるものの、深夜勤務について正しく理解していない方も多いようです。

労基法ではなんと言っているか

労働基準法第37条第4項は次のようになっています。

使用者が、午後10時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

労基法でいう深夜とは夜22時から早朝5時の間を指しています。

この時間帯に働いた場合、時給の25%分多く賃金を払いなさい、ということです。

アルバイトやパートのような時給の方だと分かりやすいですね。

例えば、時給が1,000円の人が深夜に働いたら、雇い主はその25%、つまり250円多く払わなくてはならないということです。

月給者であれば、基本給を時給に直して25%多く払うことになります。

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深夜割増がつくのは残業だけではない

色々な人と話していると、深夜割増は深夜帯まで残業した場合につく、と勘違いしている人が意外と多くいます。

ですから残業割増+深夜割増で50%割増になると思っているということになります。

もちろん深夜にかけて残業した場合、50%割増になります。

しかし深夜割増は残業ではない、つまり所定勤務が深夜帯にかかった場合にもつきます。

例えば、夜間作業があるということで時間をずらして勤務するという方はいるでしょう。

工場などの交代勤務をされている方も、深夜帯が所定勤務時間になるということがあるでしょう。

どんな形であれ、深夜に勤務したら、その時間は25%の割増がつくということになります。

ちなみに、残業手当がつかない管理職であっても深夜に勤務したら、その時間については25%の割増がつきます。これも案外勘違いされている方が多くて、管理職に深夜割増を払っていないなんていう話も耳にします(悪意があって払っていないのではなくて、知らなかった、勘違いしていた、という話です)。

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深夜割増は、残業とは切り離して考えなくてはいけないのです。

身近で見かける深夜割増の例

コンビニや飲食店に行くと、バイト募集の貼り紙を見かけることがあります。

時間帯によって時給が違うのに気付いていた方は多いことでしょう。夜の方が時給が高いんだなあ、と漠然と思っていたのではないでしょうか。

これは深夜割増が考慮されての時給なんですね。

コンビニや飲食店でバイトをしたことがないので分かりませんが、深夜割増の時給で契約した人って、深夜帯以外の勤務でも時給は高いのでしょうか?

タクシーに深夜料金があるのをご存知の方も多いと思います。

忘年会シーズンとなると電車がなくなってタクシーで帰るなんて経験もあることでしょう。今年はコロナの影響もあり、忘年会をやれるのかも分かりませんが。

タクシーは22時から5時までの間、2割増の料金となります。これもタクシー運転手さんの賃金が深夜割増となることに起因しています。

タクシーの運転手さんにとっては深夜割増の方が賃金が上がっていいでしょうが、タクシー会社にとっては深夜料金って儲けになるのでしょうか?


なぜ深夜労働をしたら割増賃金となるのか、所定勤務なのに割増が付くなら深夜勤務の方がいいじゃないか、と思う方もいるでしょう。

人間の生活リズムとして、朝起きて夜寝る、というのが、やはり良いのでしょう。そのリズムに反して働くので、その分割増賃金で報いましょう、ということなのではないかな?と思っています。