非金融系FPそばこと不確実な日々

2019年2月にCFPを取得しました。FPとして知っておいた方が良さそうなことを色々と書いていきます。

健康保険料の負担はなぜ増えているのか

日経新聞によると、2009年から2019年の間に約半数の健保組合で従業員の負担割合を上げ、企業側の割合を下げていたとのことです。

毎月の給料から引かれている健康保険料ですが、これは会社と従業員の両者で支払っているのです。

支払われる給料の額により報酬月額というものが決まります。これに定められた料率をかけることで保険料が決まります。この料率には会社負担分と従業員負担分があります。

知らない人も多いかもしれません。実は健康保険料は自分の分を、自分だけではなく会社も払っているのです。

なぜ従業員負担分を増やし、会社負担分を減らしたかというと高齢者の医療費を支える拠出金が増えたことにあります。高齢者の医療費増加が問題になっていることはニュースで時々耳にすることと思います。

ここ10年で保険料率が上がって、年間保険料は平均約13万円増えているそうです。

健保組合とは企業が従業員のために設立している組織です。通常、健康保険料の会社と従業員の負担割合は半々です。これは厚生年金と同様です。健保組合では福利厚生の一環という面もあり、従業員負担料率を下げる、つまり保険料を少なくし、会社が多めに負担しています。

保険料が上昇すれば当然ですが企業の負担も増してきます。優遇していた従業員の保険料率を上げて、逆に会社負担を下げることで財政悪化を回避する狙いがあるようです。

健保組合は通常、大企業が設立していることが多く、中小企業は「協会けんぽ」というところに加入しているところが多いかと思います。協会けんぽは会社と従業員で保険料を折半しています。

私の勤め先も協会けんぽに加入しています。やはり折半していますから健保組合のある会社に比べて健康保険料は高いです。

協会けんぽは折半している、ということであれば従業員負担料率を上げるという訳にはいきません。そうすると保険料率を上げることになるわけですが、急激な保険料の上昇は困ります。そこで国から年に1兆円を超える補助金を得ているそうです。協会けんぽは健保組合とは異なり公的な組織だから受けられる補助ということでしょうか。

ここ数年、財政悪化から大企業でも健保組合を廃止して協会けんぽに加入するという話を聞きます。正直、従業員と会社の負担が折半になるのなら、健保組合の意義ってどこにあるのだろうという気もします。

健保組合に加入している人は健康保険料率の上昇に加え、従業員負担率が上がっていることで2重に保険料が増えているということです。

とは言え、協会けんぽに加入している私のような人間からすると、これまでの優遇が減っただけでしょ、と思ってしまうわけですが。